目に見えない“香り”を展示するパリの「香水美術館」で生きた芸術を体感
FASHION HEADLINE / 2017年4月18日 8時0分
フランス人は香水を「生きた芸術」と呼ぶ。香水は感覚的なアートであると同時に、時間の経過や体臭・体温との混ざり合いによる変化を楽しみ、香りが持つ心理的効果は絶大だと信じられている。性別や年齢を超え、洋服やアクセサリーのように個性を表現するアイテムとして香水を纏うのだ。
そんな香水の歴史や文化、調香師の職人技など、香りに纏わる全てを展示した「香水美術館(Le Grand Musee du Parfum ル・グラン・ミュゼ・デュ・パルファン)」が昨年12月パリに誕生。
場所は高級ブティックが立ち並ぶ8区、フォーブール・サントノレ通り。17世紀に邸宅として建てられた美しい建物は、中庭を含む総面積1,400平方メートルの広々とした空間。形を持たない“香り”を解説するために、最新テクノロジーを駆使したインタラクティブな展示が実現された。展示内容は「香水の歴史」「嗅覚のひみつ」「調香師の技」という3つのテーマに分かれ、全70種類もの香りを楽しみながら嗅覚を覚醒させていく。
見学は地下1階、「香水の歴史」展示フロアからスタート。古代エジプトで生まれた香水の誕生から変遷を通して、発展史を垣間みることができる。歴史的人物の香りと愛にまつわるエピソードや、神との繋がりを求めて焚く典礼のための香り、18世紀フランスに渡ってからはモード界とのコラボレーションによって身だしなみのアイテムとして愛されるようになっていく。古代エジプトで儀礼のために使われた世界最古の香水「キフィ(Kiphi)」の香りも嗅ぐことができる。
地下1階「香水の歴史」展示フロア
歴史を学んだ後は、2階「嗅覚のひみつ」展示フロアへ。嗅覚と脳のメカニズムを解明し、私たちが“香り”を知覚する方法を解説。自然のバラは400種類以上の芳香物質から構成されているにも関わらず、たった3つの香料を混ぜるだけで人間はバラを認識するといった、嗅覚の謎にも迫っている。別の部屋では、バジル、カシス、バニラなど馴染みのある香りを嗅いで、浮かび上がる思い出や感情を楽しませる内容。香りによる記憶へのアプローチも画期的な装置で体験できる。
2階フロア
最後のフロア、3階は「調香師の技」。5人の調香師が表現した5種類のローズは、甘美・スパイシー・軽快など経験や解釈によって全く異なる香りが生まれ、香水がアート作品に分類される所以が分かる。また、香水の原料となる香料の、代表的な25種類を嗅ぐことができるインタレーションでは、耳を近づけてその香料のエピソードを聞くこともできるといった画期的なもの。(日本語選択可能)
別の部屋では、調香師の創作プロセスや主義、インスピレーションなどのインタビュー映像を映写。アーティスティックなセンスのみならず、化学的な知識も求められる調香師のクリエイティビティーに触れられる、貴重な展示空間である。
3階フロア
美術館内の展示物はアルコールを混ぜていない純粋な香料のため、鼻が麻痺することなく最後まで香りを堪能できる。1階のショップ内では数々の香水が陳列され、デパートの香水売り場以上の見応え。今後はアーティストとのコラボレーションやワークショップ、子供への「香育」などのイベントを開催する予定だという。世界に唯一の香水美術館で、見て触れて香って“生きた芸術”を体感してみてはいかがだろうか。
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