カルチャー発信を前面に、JINSが渋谷に藤本荘介デザインのフラッグシップ店オープン
FASHION HEADLINE / 2017年5月30日 10時0分
ジンズ(JINS)のフラッグシップストアとなる渋谷店が5月26日オープンした。1、2階合わせて107.8坪と、現在320店舗あるJINSの中では2番目の面積を誇る同店は、建築家の藤本荘介が店舗デザインを担当。同氏は2009年にJINSが11人の建築家を起用して発表した「建築家シリーズ」においてメガネのデザインを手掛けたが、JINSの店舗デザインは初めての取り組み。
店内は木の什器を立体的に浮遊させ、見る人の位置や角度で表情が変化するデザイン。メガネというプロダクトをシンプルにディスプレイし、機能的にストックされている。また木のカウンターを設置し、対面販売や待ち時間にオイシックス(Oisix)とコラボしたオリジナルのブルーベリージュースの提供など、従来とは違った新しいサービスも提供されている。
特に今回はJINSの既存店舗と違えて、日本の若者文化の発信地である渋谷という街の特性を踏まえ、「メガネとカルチャーの融合を目指した新機軸の発信型店舗」を明確に指向。2階はイベントスペースとして可動式の什器と、アートブックなどが置かれた木のベンチなどで、商品展示を行わないカルチャー発信をフロア全体で打ち出した。
オープニングには、コンテンポラリーアート作家・鈴木康広の「世界の見方が変わる瞬間(Blinking Spectacles)」の作品を展示。視点の高さを意識した「上/下」(2017)や「まばたきの時計」(2003)、「ファスナーの船」(2004)、「りんごのけん玉」(2003)、「境界線を引く鉛筆」(2002)、「ルーペの節穴」(2017)、「日本列島の方位磁石」(2011)など、同市の代表作である身近な“モノ”や“感覚”をテーマにした映像やインスタレーションを展示。また「空気の人」(2007、2017)は2階への階段の吹き抜けや1階の什器にもディスプレイとして展示されている。同展は7月中旬まで公開され、今後も定期的にアートイベントが開催されていく予定。
また、アーティストの金氏徹平氏とコラボしたバッグやポーチなどもメガネ関連の「アーティストグッズ」として先行販売されている。
Text: Tatsuya Noda
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