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パーム・エンジェルスが火を付けるL.A.カルチャー【2018春夏コレクション】

FASHION HEADLINE / 2017年7月8日 18時0分

パーム エンジェルス2018年春夏コレクション

パーム・エンジェルス(Palm Angels)の2018年春夏コレクションが6月19日ミラノで発表された。デザイナーはフォトグラファーでありモンクレール(MONCLER)のアートディレクターでもあるフランチェスコ・ラガッツィ(Francesco Ragazzi)。

ショー会場はポルタ・ロマーナ近くのプラダ美術館の鉄道線路を挟んだ北側。2年前にフィリップ・プレイン(Phiipp Plein)がカースタントなどを使うなど大掛かりなショーを行ったイベント会場。今回、屋外のそのスペースに土砂を入れ小山を造り、ブランド名の入ったダンプカーや重機を配置し、その周囲をモデルがウォーキングする。テロへのメッセージも含めての演出が背景にあるのだろうが、パリを含め屋外でのランウェイが増えた今シーズンのメンズコレクションのなかでも、話題を集めた。

コレクションはウィメンズも同時に発表され、ファーストルックはレインボーのサイドラインが入ったパープルのワイドパンツに素材が切り替えられたファイアーマンコート。フルジップでフードまですっぽり覆い、フレームレスのサングラス。長いウエストベルトやストラップをバックル、カラビナを使うのは、コレクション全般に登場した共通したディテール。

ドローコードを使いシェイピングするナイロンのオフショルダーのワンピースや、アイコンの椰子の木モチーフをパターンにしたナイロンパーカー、レーシーなランジェリーアイテム、メタリックな水着などウィメンズラインがこれまでよりブラッシュアップされている。

メンズは既に同ブランドの代表的なアイテムとなったロゴ入りトラックスーツを中心に、オーバーダイされたミリタリージャケット、コート、ユーティリティーパンツ、サバイバルシートのパンツ、袖が大きくフレアしたポンチョ風パーカなど、ほぼオーバーサイズシルエット。スケートボード、サーフィン、HIPHOP、セレブ風を始め、ブランドのコンセプトである米西海岸のストリートコアなカルチャーからの要素がどんどん拡張している。

ラガッツィがブランドの元となるL.A.のスケートボーダーたちの写真集『Palm Angels』を刊行したのが2014年。ファレル・ウィリアムズが序文を寄せたことなどでも注目を集めたこの作品をベースにして、2015年1月にデビューコレクションが発表された。イタリアンメイドのハイクオリティなストリートウェアが評判を呼んで、同年6月よりコレット、セルフリッジズや日本の一部の店舗で販売がスタート。2016年にパリでプレゼンテーションを行い、今年1月にミラノコレクションでランウェイデビュー。ショーは今回がわずか2回目ながら、その世界観の構成力には感嘆する。

ドゥオモのエクセルシオール百貨店ではファッションウィークの期間中、大きくフィーチャーされるなどマーケットでの期待も大きい。シーズン毎に増えるミラノの中央駅前でスケートボードのテクニックを競う若者たちの数と、その急成長するブランドの勢いが重なる。

Text: Tatsuya Noda

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