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アニエスベー“妥協せず、すべて自分で作った”初映画【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2013年12月16日 12時0分

アニエスベー“妥協せず、すべて自分で作った”初映画【INTERVIEW】

アニエスベー

アニエス・トゥルブレは、誰もが良く知るファッションデザイナーのアニエスベー(agnes b.) その人だ。彼女の初監督作品となる『わたしの名前は……(Je m'appelle Hmmm …)』は、11月23日から12月1日まで開催された東京フィルメックス映画祭の特別招待作品に選ばれた。既にヴェネツィア国際映画祭で、新しいトレンドを紹介する目的のオリゾンティ部門に選出され、アブダビの映画祭では、傷ついた子供に手を差し伸べた作品として「チャイルド・プロテクション・アワード」を受賞した。映画監督アニエス・トゥルブレとして来日した彼女に、映画について聞いた。

アニエスにとって映画は、ファッションと同じほど身近で愛すべきものだ。1997年には、ラブ・ストリームス・プロダクションという映画制作会社を設立し、映画作りに情熱を注ぐ人達をサポートしてきた。

「子供の時から物語を作るのが好きで、国語の成績がとても良かったのよ。ファッションデザイナーになったのは偶然で、ずっと映画を作ってみたいと思っていたわ」

確かにアニエスベーは、15分程のランウエイショーにも映画の1シーンを切り取ったような物語を描き出す。新作コレクションは、自ら写真を撮り、短編のムービーにしてイメージを完成させてきた。こうした作業を続けるうちに、物語の構成の仕方、フレーミング、映像の組み立て方などをすべて自分なりに学び、少しずつ映画へ近づいていったという。

『わたしの名前は……』は、父親に関係を強要される11歳の少女と、人生に失望したトラックのドライバーが出会い、2人で旅をするロードムービー。

「映画のアイデアは、ラブ・ストリームスを設立するずいぶん前からあったの。そうして映画のテーマにもなっている、家庭内で繰り返される子供へのDVは、世界中どこの国でも起こりえる深刻な問題。文化や習慣が違ういくつかの国で上映したけど、どの国でも共感してもらえた」とアニエス。

映画はヴェネツィアを皮切りに、ニューヨーク、アブダビ、東京で上映され、今後フランス、モスクワ、香港の映画祭で上映される。フランスでは、女優のキャロル・ブーケが支援する、DVを受けている子供達を守る協会から、この映画をサポートしたいとの申し出があったとか。

■ファッションとの関連

アニエスは、ファッションを語る手段として、いくつかのイメージを重ね合わせるコラージュという手法を使う。この映画も「少女の家庭」「ドライバーとの旅」、ストーリーの間に挟み込まれる「静寂な風景」「モノトーンで表現されるドライバーの記憶」「コントラストの強い街の景色」「白塗りの舞踏家と出会う白昼夢のようなシーン」といくつかのシーンをコラージュした、アニエスならではの叙情詩的な表現が生かされている。

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