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【パオロ・ピニンファリーナ×増田宗昭2/2】イタリアに負けない日本文化を作りたい(増田)

FASHION HEADLINE / 2014年1月15日 13時30分

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会場にはピニンファリーナ社の貴重なデザイン画を展示

11月27日、東京・代官山T-SITEの蔦屋書店で開催されたパオロ・ピニンファリーナと増田宗昭のトークショー。話は、そのデザインフィロソフィーをどう共有し、または発信していくかという話題に。

増田:私がこの代官山 蔦屋書店で発信しようと思ったのは、“プレミアエイジ”が人生をたのしむこと。日本の人口構成の中で、今一番多い60代くらいの人々が、個人的に居心地良く感じることを重視して、旅行や食事・健康など、生活分野の中からいくつかのテーマを抽出してカタチにしました。

代官山 蔦屋書店が出来て、二つ想定外のことがあったのですが、一つは、人がこんなにたくさん来るとは思わなかったこと。30、40代や、ベビーカーを押す家族連れの姿も多く見られます。これは、60代のへ向けたカルチャーの提案、そのライフスタイルが、若い世代にとっても魅力的であったということでしょう。

もう一つは、例えばこの(対談の会場となった)レストラン「アンジン(Anjin)」が、知的な創造性を感じさせる場となっていること。訪れている人が、新しいことや、文化的に価値のあることに興味を示していると感じる。日本は、世界的にもデザインシティーとして認知されていて、それを可視化できる空間をつくりたかったのだけれど、想像以上に実現できていて驚きました。

――その他、パオロ・ピニンファリーナの祖父や父とのエピソードや、イタリアの「カロッツェリア」と呼ばれるデザイン工房の歴史についても話は及び、またイベント参加者から両者に、カービジネスやデザインについて質問が投げ掛けられるなど濃密な時間となった。そして、両者は次のようにトークショーを締めくくる。

パオロ:父がよく使っていた言葉に「noi=私達」というイタリア語があります。デザインを説明する時に「ノイのデザインは……」と話すのです。エレガンスとは何か、素材についての知識などをチームや企業で伝え、共有していくことが、芸術や技術、イノベーション、クラフトマンシップなどを育みます。それらが紡いだ文化から、デザインが生み出されていくのです。

増田:私が代官山 蔦屋書店で表現したかったことは、初めは言葉にならない感覚でしたが、今回「エレガンス」という言葉がその感覚にとても近いということに気付かされた。そして、やはりデザインは“人”なのだとも。イタリアに負けない、日本文化を作っていきたい。


■プロフィール
パオロ・ピニンファリーナ
1958年生まれ、イタリア・トリノ出身。世界的に有名なメイド・イン・イタリーを代表するデザインハウス、ピニンファリーナのCEO。トリノ工科大学を卒業後、アメリカではキャデラック、日本ではホンダで経験を積み、87年、ピニンファリーナ・エキストラ社のCEOに就任。2006年トリノ冬季オリンピックの聖火台およびトーチや、Bovet、Coca-Cola、Motorola、Samsungなど、グローバル企業の製品デザインプロジェクトを指揮し、カーデザイン以外のシェアを広げる。08年、ピニンファリーナのCEOに就任。工業から建築に至る幅広い分野で活動し、事業領域を広げている。

増田宗昭
1951年生まれ、大阪府枚方市出身。TSUTAYA、Tカードを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 社長兼CEO。83年、「蔦屋書店(現・TSUTAYA枚方駅前本店)」を創業。85年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)株式会社設立。TSUTAYAやTカードを始めとする「カルチュア・インフラ」をつくり出す企画会社の経営者として奔走している。

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