エルメス、アーティスト支援活動を東京芸大で講義
FASHION HEADLINE / 2014年1月22日 18時0分
パレ・ド・トーキョーで行われた「コンダンサシオン」展
「エルメス(HERMES)」は12月、東京藝術大学にてエルメス財団の活動を紹介する講義を開いた。この講義は、財団が若手アーティストを支援していることから同大の学生向けに行われたもの。約200名の生徒が来日した財団理事長ピエール=アレクシィ・デュマ(Pierre-Alexis Dumas)氏の話に耳を傾けた。
講義では「アーティスト・イン・レジデンス(ARTISTS’ RESIDENCIES)」と「エルメス・エディター(Hermes Editeur)」の2プロジェクトが紹介された。
「アーティスト・イン・レジデンス」は2010年にスタートした若手アーティスト支援プロジェクト。フランス中に点在するクリスタルガラスや革製品、テキスタイルなどのエルメスの工房とアーティストをつなぐ試み。彼らは工房に入り、技術を体験し、作品を制作する。毎年4人のアーティストが選ばれるシステムで、講義ではエリザベス・S・クラークのレザーリング、小平篤乃生(こひら・あつのぶ)のガラス作品、ガブリエル・チアリのテキスタイル作品などが、写真を交えて紹介された。
2013年で計16人がこのプログラムを修了し、16作品が制作された。エルメスは同年夏、パリのパレ・ド・トーキョーでそれらを作品展「コンダンサシオン」を開催。作品展は今年3月に銀座メゾンエルメス フォーラムへ巡回する。フォーラムでは会場構成が再構築され、新しい見せ方がなされるという。「良い取り組みだった。第2クールとしてまた新たな4年間を始める」とデュマ氏。
続く「エルメス・エディター」はアーティストとエルメスが出会い、共に同ブランドを象徴するアイテム「カレ(シルクスカーフ)」を製作するプロジェクト。アート作品としてのもの作りに終わるだけでなく、少量限定品として実際にブティックで販売する。
講義では第1回目の「エルメス・エディター」、ジョセフ・アルバース(Josef Albers)の「正方形へのオマージュ」の事例がプレゼンテーションされた。アルバースはドイツのデザイン学校バウハウス、米イェール大学で教鞭を執った人物で、カラーブロックで構成された正方形の作品が有名。エルメスのスカーフもカレ=正方形と呼ばれている。
スカーフのプリントはシルクスクリーンで重ねられていくが、色がにじまないよう図案に縁取りがされている。しかし、このプロジェクトではその縁取りを撤廃し、アルバース作品をそのまま再現することを追求。「通常用いられていた手法では不可能だったが、熟練職人が昔日のプリント手法を思い出し、作品の再現へ至った」とデュマ氏は力説した。この他エルメス・エディターでは、ダニエル・ビュレンヌ(Daniel Buren)による「Photo-souvenirs au carre - カレ:思い出のアルバム」、写真家・杉本博司との作品「影の色」が発表されている。
講義後は交流会が設けられ、貴重な機会とあってデュマ氏を学生達が囲み、熱心に質問を投げ掛ける光景が見られた。
この記事に関連するニュース
-
グラフィックデザイナーの「南琢也 | Takuya Minami w/」展を京都dddギャラリーで2025年1月23日~4月2日に開催
PR TIMES / 2024年12月25日 13時15分
-
“アーティストの新たな挑戦”を形にすることを目的に設立された「Currents Art Award 2024」7名のReviewerと二次審査方法を発表
PR TIMES / 2024年12月9日 16時45分
-
『ファースト・パトロネージュ・プログラム(FPP)第7回 2024冬 特設展示会』開催!
PR TIMES / 2024年12月9日 10時15分
-
EUが「芸術文化の担い手のための英語講座」を2025年1月~2月に開催
PR TIMES / 2024年11月29日 14時0分
-
日本の伝統工芸と世界的クリエイターとのコラボレーション作品展『Craft × Tech Tohoku Project 展』を11月27日(水)より開催。
PR TIMES / 2024年11月27日 18時45分
ランキング
-
1「覆面パトカーだ!」 道行く「“隠れ”パトカー」すぐわかる「見分ける方法」は? ひっそり走る「地味ぃな“国産セダン”」がポイント?
くるまのニュース / 2024年12月26日 11時10分
-
2トースターでお餅を焼くと中がかたいまま…上手に焼くコツをタイガーが伝授!「予熱」より「余熱」がおすすめ
まいどなニュース / 2024年12月25日 17時45分
-
3【MEGA地震予測・2025最新版】「能登半島地震以上の大きな地震が起きる可能性」を指摘 北海道・青森、九州・四国、首都圏も要警戒ゾーン
NEWSポストセブン / 2024年12月26日 11時15分
-
4「別にいいじゃない」ホテルのアメニティを大量に持ち帰る彼女にドン引き。ファミレスでも“常識外れの行動”に
日刊SPA! / 2024年12月26日 8時52分
-
5「DV夫から逃げた妻」がその後20年近く苦しんだ訳 命がけで逃げた母と息子の「現在」
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください