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JR大阪三越伊勢丹縮小に思う。不振イメージと新市場醸成【COLUMN】

FASHION HEADLINE / 2014年1月24日 15時0分

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JR大阪三越伊勢丹エントランス

2011年5月のオープン以来、業績が思わしくなかったJR三越伊勢丹の売り場面積の縮小が1月21日、発表された。発表によると3万3,000平方メートルを隣のファッションビル「ルクア」と一体化した専門店街へとリニューアルするという。

JR大阪三越伊勢丹の売り場面積は5万平方メートルだから、4割以下に縮小されることとなる。15年春に開業し、ルクアとの合計売上高は800億円を見込むが、現在のルクアとJR大阪三越伊勢丹の年間売上高を合計しても700億円にも届かないことから、この目標を達成するには相当の工夫が必要となる。

JR大阪三越伊勢丹の苦境に対して、各識者は様々な原因を指摘している。「年配顧客が多かった大阪の三越ファンに対して、伊勢丹の品ぞろえは響かなかった」「自主編集売り場が大阪の消費者に受け入れられなかった」「商品施策やブランドラインアップが中途半端だった」「梅田はオーバーストアだった」などだ。これらすべてが複合化したことが今回の結果を招いたのだろう。

しかし、それ以上に大阪の市場規模ではこれが限界だったのではないかと感じる。

11年5月のJR大阪三越伊勢丹とルクアの開業以前と比べて、現在のJR大阪駅周辺の商業施設の過密度には目を見張る。JR大阪三越伊勢丹の直近の年間売上高は約300億円で、当初目標の550億円からすると遠い業績だ。それでもJR大阪三越伊勢丹とルクアの合計売上高は670億円内外であり、11年5月以前にはこの市場は大阪駅周辺には存在しなかった。大丸梅田店は11年の増床リニューアルによって200億円くらいの売上高を上積みしている。また13年4月にオープンしたグランフロント大阪は目標売上高400億円を上回るペースで推移している。これらを合計すると、1,200億円弱の市場がこの3年間でJR大阪駅周辺に出現したことになる。

この数字を見ると、人口減少が続いて地盤沈下する大阪という市場でよくこれだけの新市場ができたものだと驚く。

確かにJR大阪三越伊勢丹はやり方次第で売上高をもう少し上積みできたかもしれない。それでも初年度に掲げた目標が少し高すぎたのではないだろうか。今更後の祭りだが、当初の目標設定によってはここまでの不振イメージは醸成されなかったのではないかと感じる。

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