服自ら温度調節するアンリアレイジ【14-15AW東京】
FASHION HEADLINE / 2014年3月29日 22時37分
「アンリアレイジ(ANREALAGE)」は3月28日、14-15AWコレクションショーをラフォーレミュージアム六本木で開催した。
色や形が変化する服を発表してきた同ブランドから送られてきた招待状は、目盛りに数字がない温度計。コレクションタイトルには「SEASON(季節)」と書かれていた。デザイナー森永邦彦は、“季節に左右されない洋服”を求めたという。
洋服自体が温度を調整出来ないか?という森永の問いへの答えとなったのは、NASAのために開発された機能素材「アウトラスト」。繊維に含まれるマイクロカプセルの中に入ったパラフィンワックスが、暑い時は余分な熱を吸収し、寒くなると熱を放出することで、常に身体の表面温度を人間が一番快適と感じる31度から33度に保つように働く。コレクションに使用されたほとんどの素材がこのマイクロカプセルで直接コーティングされており、「温度調節機能が通常の10倍働くようになっている」と森永は説明する。
ショーは開始と共に雪が舞い散りスタート。ファーストルックはブルーの3体。ショーが進行するに連れ、ウエアは次第にイエローやオレンジになり色温度が上がっていく。これらの色は、温度を視覚化するサーモグラフィーカメラの画像から採り入れられたもの。スタイリングも色使いと共に半袖にミニスカートから、ニットやビッグサイズの厚手のアウターを羽織った冬らしいものへと変化していく。グレンチェックやケーブル編みなど秋冬らしい素材はプリントだ。ファーやメルトンにはカットワークで無数の穴が穿たれ、防寒素材の用をなさない。
ラストは、赤のファートップスとスカート姿のモデルが登場。トップスはスラッシュが施されている。ここでアンリアレイジらしい演出がスタート。照明が下がり、モデルに眩いばかりの光を放射。このライトの熱により、トップスのスラッシュが開き、無数の穴が現れていく。これは温度で形状変化するワイヤーによるもの。森永は“気温で変化する服”というコンセプトを最後に視覚化した。
寒さを象徴する氷をイメージしたスタッズなどのパーツはマッドスネイル(MUD SNAIL)が手掛け、バッグは「ポーター(PORTER)」とコラボレーション。また、今季から新ライン「アンシーズンアンリアレイジ(ANSEASON ANREALAGE)」をスタートする。「シーズンごとに発表され一過性のものであったコレクションをパーマネントなアイテムに落とし込んだライン」と森永。
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