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【ファッションってなんだろう?vol.3】Masaya Kushino串野真也1/3

FASHION HEADLINE / 2014年4月11日 21時0分

――ファッションを学ぶようになり、何か変化はありましたか。

小さい頃からファッションが好きでデザイナーになりたいという気持ちはありましたが、その思いにも波がありました。自分が作るものに対して、ストレスを感じてしまった時もありました。例えば、マルジェラはコンセプトを重視したコレクションを展開していますよね。その、コンセプトを追い掛けるという点に疑問を持ってしまった。自分はマルジェラのデザインよりもアレキサンダー・マックイーンやジョン・ガリアーノのように華やかで、着飾ることの楽しさを認識できるブランドが本来は好きなんだと気付いてしまった。でも、当時自分が作るものというのは、真逆でコンセプトに寄せた作品だった。

靴のデザイナーになって気付いたのですが、単純に自分はコーディネートが苦手で、一つのアイテムを考え抜くことの方が得意だったんですね。でもファッションは、ランウエイの構成にしても、1ルックではなくて全体で考えないといけない。そのあたりが僕は苦手だったんだな、と靴を作るようになって気が付きました。

――靴を作り始めたのはどういった経緯ですか?

イタリアから帰国後、様々なファッションコンペに応募したのですが、全く引っ掛かりませんでした。自分が絶対面白いと思っていることが全然受け入れられないということは、自分の感覚に問題があるしかない。だから、ファッションに執着するのはちょっとまずいのではないかという考えに至って。一瞬ファッションを辞めようかなとも思ったんですけど、せっかく勉強もしたしファッション自体は好きだし、どうしようかと悩んでいた時にレザーのデザインコンテストがありました。製作ではなく、デザイン画で応募できる項目もあったので、羊をモチーフにした靴のデザイン画を描いて応募したのがきっかけです。その初めて描いた靴のデザイン画が「JILA LEATHER GOODS AWARD 2007」でグランプリを受賞しました。

そのコンテストでは三原康裕さんが審査員でした。後日談なのですが、その最終選考の前日、三原さんの納得のいくデザイン画が見つからず、1次審査で落ちたデザインも含めて、三原さんが全部見るという話になったそうです。その時、三原さんが1次審査で落ちていた僕のデザイン画を見て「これだ!」と思ってくださって、グランプリを頂くことになりました。グランプリの表彰式で三原さんに会えると思っていたら、本人はいらっしゃらなかった。三原さんに交渉して、三原さんのところで絶対働かせてもらおうと思っていたので、ものすごくショックでした(笑)。その後、三原さんのアトリエに行って直訴したのですが、そこでも断られました。でも、三原さんと会って話して、靴を作っていく大変さを教えてもらいました。

――断ることは、受け入れることよりもエネルギーが要りますよね。

そうですね。三原さんからの愛情だなって思いました。その時、僕の靴に対して「現実を超越するファンタジー」という言葉を三原さんに頂きました。素敵な言葉だなと思って、今も使わせて頂いています。

2/3に続く。

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