強そうなジャパネスク【ロンドンコレクション:メン1日目--1/2】
FASHION HEADLINE / 2014年7月7日 20時0分
ロンドンコレクション:メンが6月15日から17日まで開催され、各ブランドが15SSメンズコレクションを発表した。
鯉の刺青を『ヤクザ・ボディ・アート』と表現し、コレクションのモチーフとした「ジョセフ・ターヴィ(Joseph Turvey)」は強さを感じるアイテムがそろった。長めのトップにボリュームのあるショーツという組み合わせを基調としたスポーツウエア風のアイテムが、ぼかしで描かれた鯉のプリントとモデルのボディに描かれた絵によって、英国ストリートキッズの怖さとはまた違った怖さを醸し出している。更に、モデルの顔にはお経のような筆文字メイクが施されている。
「アストリッド・アンデルセン(Astrid Andersen)」は、日本の相撲にインスパイアされたコレクション。ファーストルックは、大きく背番号がプリントされ、ピンクと黒をベースにペイズリー柄が重なる着物風トップと、スポーツテイストなパンツ。その後も、本ブランドならではのシースルーのレイヤードやトラックスーツが、黒、ピンク、オレンジのカラーパレットに、ロゴやペイズリーがプリントされている。そのルックに混じるのは、まるで大相撲の関取が土俵入りの際に締める、化粧まわしのような太いベルト付きのエプロン状のアイテム。それらはファーで作られていたりもする。フィナーレはモデル全員が化粧まわし姿でランウエイを埋めた。しかし日本文化のみならず、スカーフをサンバイザーで止めてアラブの被り物風にしてみたりと、西欧人から見た広い意味でのアジアのイメージも混在する。更に、スポーツウエアのスタイルを借りつつあくまでラグジュアリーなストリートウエアであるが、どこか今にも闘い始めそうな、強そうなムード漂うコレクションとなった。
一方、白、キャメル、グレー、ネービーという抑制の効いたカラーパレットで、修行僧のようなジャパネスクを見せたのは「アギ&サム(AGI & SAM)」。テーラードコートもシャツも、衿なしの緩いシルエットで、Vネックのフロントが着物のように重なる。プリーツをたっぷり入れたワイドパンツは袴のようでもある。自分たちが着て居心地悪くならないテーラードを作る、というアイデアに日本のカルチャーへの印象が取り入れられたコレクションには、オーバーサイズのワークウエア風アイテムも含まれていた。
『セブンティーズナインティーズ』のショータイトルのもと、ユーモラスにジャパネスク要素を入れたのは「トップマンデザイン(TOPMAN DESIGN)」。プリントTシャツやパステルカラーのニットに、フローラル柄の着物風トップをコーディネートした。コレクション全体は、90年代に流行した70年代リバイバルを更にアレンジした雰囲気で、ベルボトムと呼ぶにはゆとりがありすぎるフレアデニムや、カラフルなファートリミングが付いたモッズコート、90年代にイギリスを中心に人気を博したミュージシャン、ジャービス・コッカーが着ていたようなストライプのスーツなどが登場。ジャケットはボックスシェイプで、リラックスした雰囲気に仕上がっている。
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