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節穴から見える三嶋章義の世界。渋谷NANZUKAで個展開催中

FASHION HEADLINE / 2014年7月9日 16時0分

「節穴」

かつて、ルーペや顕微鏡など、レンズを通して小さな世界を見た瞬間を今も覚えているだろうか。自分が見ている世界はほんの一部で、知らない世界がその先に広がっている驚きを。信じがたいが、目に見えない程小さなものが自分同様に存在していることを。

気鋭のクリエーター・三嶋章義の個展「節穴」が東京・渋谷のギャラリー・ナンヅカ(NANZUKA)で8月2日まで開催中だ。

三嶋はヒロ杉山率いるエンライトメントに参加後、自身の創作活動だけでなく、ファッションブランド「フガハム(FUGAHUM)」のアートディレクションやテイ・トウワ(TEI TOWA)、大沢伸一など著名ミュージシャンのVJなど多岐にわたる活動を行ってきた。更に近年は、現代美術家としての評価も年々高まってきている。

三嶋にとって同ギャラリーでの個展3回目となる今回は、ペインティングを始め、映像やインスタレーションなどの作品計9点を展示。それらはインタラクティブな仕掛けで新たな発見をもたらす。

その仕掛けが、“節穴”だ。壁の節穴には室内を覗くようにレンズが仕込まれ、こちらとあちらをつなぐ。節穴の先にある空間には、ペインティング4点とオブジェ2点が展示されているが、そのレンズを通じて作品のディテールが一部拡大して見え、新鮮な印象を与える。

三嶋氏は、「節穴というと、“見えていない”といった一般的にネガティブなイメージを与えるが、逆にいえば、今は何でも見えてしまう世の中で情報のひっかかりが少ない。そういう時に自分が考えなければならないことというのは、そんなに特別なことでもなくて、普段見ているものや感じるものをいかにしっかり自分に受け入れていくか。あるものに気づくことは次に進むためには絶対的に必要な要素ではないかと思う。それで今回は“節穴”というテーマにした」と語る。

壁を隔てて、次の空間には映像作品「節穴」が展示されている。自宅にある植物を切り取り、プレパラートに載せ、見えたものを映像にしたという作品はトライバル模様のようであり、万華鏡のように見え方が変化する。更に目を凝らして見ると一つひとつが動いていて、小さな生き物達が存在しているとわかる。改めて、植物だけでなく人間にも共通することとして、小さなもの達の働きがあって大きなものが動いていることに気づかされる。

映像作品の隣は、「タマヨリヒメノカミ」のインスタレーション。昆虫の羽や足と塗料を1枚1枚のプレパラートに重ねてイメージをつくり出した。角柱の上部に小さな覗き穴があり、目をこらすと見えてくる繊細なコラージュ作品だ。

また、ギャラリー入り口正面の壁に展示された120cm角の存在感あるペインティング「AZUCHI」には三嶋が感じた自然の要素が透明感あふれる色合いで表現されている。

「最近はドイツでの作品制作が多いので、日本を見つめ直す機会にもなっていた。ここ2・3年は日本を見つめることをやっているが、そうしたことを考えることで自分の作品制作も緻密な計算が必要だったり、あまりコントロール下におけないようなものがあると知った。以前ドイツで行った展示で、自然のものたちがやってくれていることにどう気づくかが必要なことだと思った」と三嶋氏。

視点が変わると世界はいつもと違って見える。新たな気付きをもたらしてくれる展覧会だ。


【イベント情報】
節穴
場所:ナンヅカ
住所:東京都渋谷区渋谷2-17-3渋谷アイビスビル地下1階
時間:11:00から19:00
休廊日:日・月曜日、祝祭日
入場無料

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