「だまし絵II」Bunkamuraで開催。八嶋智人ナビゲーター
FASHION HEADLINE / 2014年8月8日 20時58分
東京・名古屋・神戸の3都市で開催され、計75万人を超える驚異的な動員数を記録した2009年開催の「だまし絵」展の続編「だまし絵II 進化するだまし絵 Into the Future」が、8月9日より、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催する。
美術の歴史における「イリュージョン」の効果に注目し、古典的絵画から近代を経て、現代美術に至る歴史的な流れの中で、作品の系譜を紹介した初回の展覧会に対し、本展では、タイトルにもある通り「進化」する現代美術の展開を軸とする作品群が並ぶ。
「プロローグ」では、ダブル・イメージの傑作、ジュゼッペ・アルチンボルドの「司書」やアルブレヒト・デューラーの「アイリスの聖母」(16世紀後半の複製)など、古典的巨匠によるだまし絵の名作が展示されており、続いて「トロンプイユ」「シャドウ、シルエット&ミラー・イメージ」「オプ・イリュージョン」「アナモルフォ―ズ・メタモルフォーズ」の4つのテーマに沿った構成となっている。
第2章「トロンプイユ」では、画中の女性の目が数秒ごとに動く福田美蘭の「婦人像」や見慣れたモチーフを本物そっくりに再現するカズ・オオシロの「フェンダー・デラックス・リヴァ―ブ・アンプ2」など、まさに“目をだます”作品が続々登場。
美術の世界では、物体を本物らしく見せるための“引き立て役”のモチーフとして使われてきた「影」や「鏡」だが、20世紀後半以降、これらを“主役”と捉え、既存の固定観念を打ち破る作品が生まれ出すようになった。第3章「シャドウ、シルエット&ミラー・イメージ」では、福田繁雄の「アンダーグラウンド・ピアノ」やマルクス・レーツの「姿見II」をはじめ、虚像と実体間で起きる不思議かつ立体的なだまし絵が体感できる。
そのほか、第4章「オプ・イリュージョン」では、パトリック・ヒューズの描く「広重とヒューズ」やヴィクトル・ヴァザルリの「BATTOR」、第5章の「アナモルフォ―ズ・メタモルフォーズ」では、エヴァン・ペニーの「引き伸ばされた女 #2」、ルネ・マグリットの「赤いモデル」、ヴィック・ムニーズの「自画像 悲しすぎて離せない バス・ヤン・アデルによる」など、ウィットに富み、遊び心あふれる技の競演が凝縮されている。
なかでも、一辺7センチの木片784枚を基盤状に敷き詰めたダニエル・ローズィンの「木の鏡」は必見。木片にはモーターが、本作品の中央には小型カメラが取り付けられており、とらえた映像に従って、明暗を創り出すその様は“鏡”。記者内覧会に登場したダニエル氏は、「ぜひ作品に近づいてみてください。ご自身の姿が映し出されます」とデモンストレーションして見せた。
8日に行われたセレモニーには、本展のナビゲーターを務める俳優・八嶋智人さんが登壇。「(音声ガイドを録ったので)作品は把握していましたが、本物の作品を間近で見たら、脳がグラグラするような衝撃を受けました。自分が当たり前だと思っていることが覆される、不思議な世界にどっぷりと浸かって頂きたい」とコメントした。
新鮮な発見と驚きに満ちた本展。難しい理屈は抜きにして、この夏、現代美術が奏でる“だまし絵ワールド”に足を踏み入れてみては?
【イベント情報】
だまし絵II 進化するだまし絵 Into the Future
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1階
会期:8月9日から10月5日
時間:10時から19時(入館は18時まで)
料金:一般1,500円、大学・高校生1,000円、中学・小学生700円
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