ウィーンの帽子ミュールバウワー、111周年記念本出版。NIGOやくるりも登場
FASHION HEADLINE / 2014年9月16日 12時0分
ウィーンの帽子ブランド「ミュールバウワー(Muhlbauer)」が創業111周年を迎え、その記念に帽子の本『111 DARLINGS -A HAT BOOK,111 YEARS MUHLBAUER HEADWEAR』を出版した。4代目ディレクターのクラウス・ミュールバウワー(Klaus Muhlbauer)が来日し、9月12日に日本でローンチパーティーを開いた。
記念本では111年にわたる帽子作りの歴史を、それに携わってきたミュールバウワー家の視点から回想。ウィーンの小さな婦人帽子のワークショップから、国際的に有名なヘッドウエアブランドに成長するまでのストーリーが記されている。
クラウス氏は、「100周年を迎えたときはディレクターに就任して間もない頃で、あっという間に日々が過ぎ、記念の催しなどせずその年を終えてしまった。11年を経て、1が並んだ区切りのいいところでこれまでのミュールバウワーの仕事をまとめようと思った。ただパーティーをするだけでは味気ないので、大好きな本を作ろうと閃き、妻のエヴァがエディターをしていたため本のディレクションをすべて彼女に任せた。出来上がりには非常に満足している。111周年もの間ミュールバウワーが続いたのは、曾祖母から続く先人たちの積み重ねによるもの。ハンドメイドにこだわり守り続け、そこから生まれるクオリティーの高さがすべてを物語っている」と本について説明。
本は111の項目を設けた構成で、親しい人々や大切な帽子作りの道具、そしてミュールバウワー社において、その時々で重要な存在であった帽子について書かれている。ミュールバウワーの愛用者として知られるアーティスト「くるり」や、協業でハットを作ったりと親交の深いニゴー(NIGO)などの日本人も登場している。
「11年前に初めて日本を訪れた際は欧米との違いに戸惑ったが、NIGOさんをはじめとした知り合いも徐々に増え、既にこれまでの来日回数は数え切れない。世界的に見ても日本人のハットの取り入れ方は異色であり、いつもその発想には驚かされる」(クラウス氏)
会場には過去のアーカイブ資料や作品などを展示され、本と共に14-15AW新作も披露されている。同氏によれば「新作は“Northern Sea(北の海)”がテーマ。ただのマリンではなく、寒さの厳しいところで生活する漁師やタンカーに乗る人をイメージした。よってファンシーなものは付けずにシンプルさを表現したのが特徴だ」という。
本はハードカバー仕様で全287ページのフルカラー。価格は5,000円。ドイツ語版と英語版があり、インテリアにも使えるようなスタイリッシュな1冊に仕上げられている。
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