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ギャルソン、ヨウジら現代ファッションを四つの視点から考察する展覧会、ハンブルグで開催中

FASHION HEADLINE / 2014年11月4日 16時0分

川久保玲

ドイツの北部にある都市ハンブルクでは、現代ファッションをテーマとした展覧会「インサイド・アウト」が開催されている。会場はデザインや工芸作品を展示するハンブルク工芸美術館。

展示されているのは、川久保玲、山本耀司、マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)、イリス・ヴァン・ヘルペン(Iris Van Herpen)といった80年代以降に活躍したデザイナーによる様々な衣服。本展では、55点のファッションデザインを「Exposure(暴露)」「Simulation(擬態)」「Alienation(疎外)」「Reshaping(再形成)」の四つの視点から紹介している。

「Exposure(暴露)」では、本来衣服が隠すべきである身体をあえてさらすようデザインされた衣服を展示。ベルンハルト・ウィルヘルムがデザインしたのは胸の部分が切り抜かれたTシャツ。他にも身体の大部分を露わにしたガレス・ピューのドレスなど、服と身体が密接な繋がりを持つことを強く感じさせる作品が並ぶ。

「Simulation(擬態)」では身体の形を変えてしまうようなデザインを紹介している。中でも特に目を引くのはイリス・ヴァン・ヘルペンのドレス。「スネークドレス」という名前の通り、蛇が身体に絡みつくような独特な形を見せている。こうした衣服によって身体は全く別の形を手にいれることが可能となる。

現代のファッションと、ファッションの歴史との繋がりにも注目。「Reshaping(再形成)」で見せるのは、伝統を参照した現代のファッションデザイン。2012年に発表されたコム デ ギャルソンのイブニングドレスは20世紀初頭のドレスと共に並べられている。ここで強調されるのは過去と現代の共通性。デザイナーが過去の文脈を取り込み、新しい意味を生み出していることに気付かせてくれる。

「Alienation(疎外)」では、80年代以降に生まれたファッションがもたらした意味について思いを巡らした。コム デ ギャルソンの作品はその答えの一つ。展示されているのは12-13AWコレクションで、そこでは縫い目など従来の価値観では美しいものとして見なされなかったものが強調されている。これらのデザインは今までのファッションのあり方に疑いをもたらし、同時に新しい価値観を強く感じさせてくれるのだ。

展示では現代ファッションの方向性が衣服の内側にある身体へ向かうだけでなく外側へ向かうことを、そして過去の価値観を参照するだけでなく新しい価値観を追求していることを伝えてくれる。それはまさに展覧会タイトルが「裏表に(ひっくり返す)」を意味するように、一方向ではなく多方向に発展するファッションの姿に他ならない。大胆な視点から切り込んだ本展はファッションの現在を知ることができる興味深い試みと言えるだろう。


【イベント情報】
INSIDE OUT. Insights into Fashion
会場:Museum fur Kunst und Gewerbe Hamburg(ハンブルク工芸美術館)
住所:Steintorplatz 20099 Hamburg
会期:6月7日から2015年春まで
時間:10:00から18:00(木曜日は21:00まで)
休館日:月曜日
入場料:10ユーロ

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