「音楽が生きる環境」を作ることが一番の幸せ--トクマルシューゴ2/2【INTERVIEW】
FASHION HEADLINE / 2014年12月13日 19時0分
――そもそも曲作りを始めたきっかけはなんだったのでしょうか?
子供の頃、ピアノの先生に真っ白い紙を渡されて「これに曲書いてきて」って言われたのがきっかけかもしれないですね。当時、僕は全く練習しないでレッスンに向かうばかりか、先生のお手本演奏を聴いては感動して「今日はもう(僕の演奏は)いいんじゃないですかね?」っていう感じの子だったんです(笑)。でも作曲だけはちゃんと続けていたから、もしかしたら先生は僕の関心事を見抜いて紙を渡してくれていたのかもしれないですね。
それ以来、「新しい楽器を手にしたら、それを使って作曲する」っていうのが僕の中でプログラミングされてるんです。
――来週、12月16日には新代田FEVERで「DEERHOOF JAPAN TOUR 2014」初日を迎えますね。
譜面だけは起こしてメンバーに送ってるんですけど、現時点(12月9日)でまだ1度も音合わせしてないので未知数ではありますが、いいライブになるであろう確信はあります。あまりリハーサルしないのは、音源は根詰めて1曲1曲完璧なものに仕上げるというスタンスを取ってるんですけど、ライブに関しては、「会場で生きる音」を大切にしていて、ライブをやることによって曲が成長していくのを楽しんでいる節があります。なので、ライブまでに完璧なものに仕上げるということは、そんなにしないんです。
――2014年中のライブは残すところ数回ですが、今年1番印象に残ったことは?
10周年企画の一つとして、2004年にニューヨークのレーベルから発売した1stアルバムを完全に再現するライブを行ったんですけど、1からコピーしたことで新たな発見がありました。僕は自分の作るほとんどすべての音楽に、“再発見出来るギミック”を盛り込んでいるんですけど、久しぶりに音源を聴き直したことでそれを見付けて、「こんなの入れてたよな」って懐かしい気持ちになりました。
でも、ギミックといっても本当に自分にしか分からないようなもので、なんのメッセージ性もなく、例えば、子供の頃に親がカセットデッキで録音してた日常の音だったりを、ただ自分を楽しませるためだけに入れてるだけ。他の人が聴いたらただのノイズにしか聴こえないレベルですね(笑)。
元々変な音楽、くだらないことをやってる人が好きで、例えば、無音のレコードというのがあるんですけど。なぜ無音かというと、パントマイムをやっているから(笑)。拍手の音しか聴こえないんですけど、その音の向こうでどんなことが行われてるんだろう?って想像するのが好きで。一般的にはあまり理解されないですけど、僕はそういうのに感銘を受けるんです。
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