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伝統工芸を憧れの職種にしたい【京都のクリエーティブユニット「GO ON」1/5】

FASHION HEADLINE / 2015年1月2日 20時0分

京都のハイアットリージェンシーとコラボした、ラグジュアリールーム。竹が織りなすシルエットが印象的

2012年、伝統工芸を受け継ぐ後継者達が集い、プロジェクト「ゴーオン(GO ON)」が始まった。それは六つの伝統工芸の未来を背負う後継者らによるプロジェクトチーム。先代からの技と思いを受け継ぐ彼らを訪ねた。

メンバーは、元禄時代から織物業を営む西陣織「細尾」の細尾真孝、明治8年創業の手作り茶筒の老舗「開化堂」6代目八木隆裕、明治31年創業の竹工芸「公長齋小菅(こうちょうさいこすが)」小菅達之、起源は平安時代にまで遡るという京金網「金網つじ」の辻徹、木工芸「中川木工芸比良工房」中川周士、400年の歴史を持つ「朝日焼」16代目の松林佑典。個性の異なる若い伝統工芸の後継者6人が集い、志を掲げクリエーティブユニットGO ONは生まれた。ユニット名GO ONには、長く引き継がれてきた伝統と先代達への「御恩」の意も込められている。

■GO ON設立のきっかけ

数年前、それぞれの屋号で出展していたミラノサローネなどの海外展示会で、度々顔を合わせる内に「伝統工芸が子供の憧れの職業になったら」という共通の思いで、意気投合した細尾、八木、辻。2012年、GO ONで上海のラグジュアリーホテルに進出するプロジェクトが経済産業省の推進するクールジャパン戦略推進事業に採択される。それもユニット結成のきっかけの一つとなり、日本の伝統工芸の技を国内外の企業やクリエーターに提供し、これまでにない物を作り続けていくことを目的にGO ONは誕生した。

細尾氏は「10回のうち9回失敗しても、挑戦を続けていく気概で進んでいきたい。世の中が早いスピードで変わっていく時代において、まだ誰も踏み込んだことのないところにみんなで挑戦したい。そのためには稼げるマーケットであること。そしてかっこ良いスタイルでいること。結果、伝統産業をクリエーティブ産業にしていきたい」と意気込む。

その言葉を体現するバー空間が14年12月シンガポールに誕生した。シンガポールにオープンしたバー「ディ・ピスポーク(D.Bispoke)」では、金網つじの照明、など、メンバーそれぞれの卓越した技が集結されたインテリアに加え、彼らのビスポークアイテムを販売するショップも併設されている。細尾氏の言葉にあるように、続けていくためのビジネススキームがここで実現されている。

GO ONのメンバーは、新たなプロジェクトに挑戦するか否かを“その試みが新しいか”“これまでの枠に留まっていないか”を自らに問うて決めるという。シンガポールにオープンしたバーは、彼らにとって新しいステージを作るようなプロジェクトだったのだ。

2/5に続く。

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