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本当の“量産”を作る15SS--「theSakaki」榊弘太郎5/5【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2015年1月3日 22時0分

ウェスティンホテル東京での「theSakaki」15SSプレゼンテーション風景

榊の美学は常に各アイテムに息づいている。15SSでは一見双糸のブロードのようにしなやかなシャツが登場。しかしよく見るとオックスフォードだ。

「良い生地でした、巡り合わせです。thebangで皺の出方というのは気になっていたので。ブロードのはっきりとした皺が嫌なんですよ。ちょっとかっこつけてブロードのシャツ着てデートに行くときなんてジャケット脱ぎたくないですもん。腕の関節の皺とか気になりませんか」

15SSのメインとなるテーマは洋服の常識に挑戦する。実験的な試みを行うライン「ofSakaki」でだ。

「今季は『量産』に着目しました。ある程度細い人から太い人まで着られる作りにしたんです。今までは色んな人に着てもらいたいから一つの型でいっぱいサイズがあった方がいいんじゃないかと思っていました。でもサイズを合わせていく方向って、突き詰めるとオーダーメイドの領域ですよね。じゃあオーダーメイドでいいじゃないですか。つまり量産品は、サイズ展開が少ない中で色んな人が着られる方がいいということ。工場さんの作業精度も上がります。今まで4サイズあったものが2サイズで良くなれば、作業工程も減る。それが量産品じゃないかと。
まだ目指すところまで行っていないのですが、例えばパンツのウエストタックをアジャスターで調節出来るようにしたんです。左右3cmずつ取れば6cm変わります。かつセンターでも調節出来るので約10cm調節できます。なので、ベルトいらないですよ。一番やりたいのは、たらふく食べた後に広げてふぅっとリラックスしたい(笑)。人間が1日中ずっと同じウエストでいることって決してありません。これが今考えている服の理想形です」

まだ実験段階のため、4サイズ展開だが、今後減らしていくという。サイズを調整できる服というのはあるが、スタイルとして成立するかが難しい。一見不可能に思えるこのアイデアについて、

「今まで、これだ!と思うことをやり始めて形にならなかったことって無いんです。何らかの形になるんです。面白いものでやり続けていくことで行き詰まっても、頭から消えることは無く、1日1回は考えちゃうんですよ。病気ですね(笑)。続けていると出るんですよ、答えが。そしてシーズンに向けてサンプルを作り、また改善点が出て来て、というサイクル。この形を作ったことによって次が見えるのが楽しいですね。(アイデアが)出ないことが無いのが何より楽しい」と、嬉々として話す。

最後にウェスティンホテル東京での15SSプレゼンテーション風景を見せてもらった。坊主のモデルが映画のように佇む数葉を見せる榊。「このハゲがいいんすわー」と目を細めた。

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