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新しいファッションが始まる時。ITC/EFIとUAの取り組み2/2【エシカル特集】

FASHION HEADLINE / 2015年1月10日 21時0分

左からシモーネ・チプリアーニ(EFI)、アランチャ・ゴンザレス(ITC)

2014年12月11日に新丸ビルで開かれたエシカルファッションのエキシビション会場では、4人のパネリストによって「新しい世界を切り開くエシカルなファッション」「ファッションは人々を幸せにできるか?」をテーマに、熱いディスカッションが交わされた。以下、質疑応答をレポートする。

――ITCはどんなことをするところですか?

アランチャ・ゴンザレス(ITC):世界をよりよい方向に導くために国連機関の一つITCは、1貧困の削減、2雇用の創出、3女性の地位向上、を目指しEFIを通して活動を続けています。

――EFIの活動目的と内容について教えてください。

シモーネ・チプリアーニ(EFI):業種が違う企業でも今一番気にしているのはフットプリント(人間が環境に与えた負荷)です。私達は地球環境に悪いものをたくさん生み出してきました。それをなんとか相殺しなければいけないと思い、アフリカやハイチの貧困な国で暮らすアルチザンの手(ハンド)を借りてものつくりをすることで、地球に良いことをしよう!と活動しています。フットプリントからハンドプリントに変えよとしているのです。

――あなたのエシカルなファッション観とは?

ステラ・ジーン(「ステラ・ジーン」デザイナー):私の仕事は、ファッションに意味を持たせることです。そして役割は、途上国と先進国、北と南、違う文化を融合させること。異なる文化を融合させて新しいスタイルを完成させる。しかも、貧困にあえぐ人たちに働いてもらい、彼らの生活が向上するなら素敵なことですよね。ファッションができるのなら、実社会でも可能でしょう?新しい世の中のコンセプトをみんなで考え、新しい視点を加え、今こそ行動を起こす時がきたのです。時代は変わるのです!(※ステラ・ジーンのウィメンズは伊勢丹新宿店、メンズはユナイテッドアローズで販売されている)

――EFIとの出合い、「TEGE」誕生、エシカルについて。

栗野宏文(ユナイテッドアローズ上級顧問):僕らの仕事は世界中の面白いもの、素敵なものを紹介することだと思っています。あるジャーナリストにEFIを紹介された時、ケニアやブルキナファソやハイチでものが作れるというプロジェクトがとても魅力的でした。これまでやってきた仕事のスタートとなんら変わりありませんでした。ただ、中身が違った。現地へ赴き、アルチザンと呼ばれる女性達の生き生きと働く姿が印象に残りました。そうしてこのプロジェクトに加わることでこれからのファッションビジネスのスタイルが変わっていくことを実感しました。

――こうした活動をすることで何が変わった?

シモーネ・チプリアーニ(EFI):私達は、ケニアやハイチで行っている活動の成果を数値化して世の中の人に知って欲しいと思います。以下が最新版の数値です。
94%のアルチザン(職人)が技術支援により技術が向上した。
86%のアルチザンの日々の食事の質が大幅に向上した。
100%の女性アルチザン達は自信を持つことができ、家庭では夫や子供達から尊敬されるようになった。
90%のアルチザンは学校へ授業料の半分もしくはそれ以上支払えるようになった。
61%のアルチザンは貯金ができるようになった。
88%の現地小規模生産者たちは経済的な独立は自分達の生活を大きく変えたと答えた。
ここから新しいファッションシステムがスタートしていくのです。

1/2「ファッションは人々を幸せにできるか?」に戻る。

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