新生カルヴェンによる初のショー、若さとフェミニティーが融合した都会的リアル【2018春夏ウィメンズ】
FASHION HEADLINE / 2017年10月7日 11時0分
カルヴェン(CARVEN)の2018年春夏ウィメンズコレクションが9月28日、パリ第6 ピエール・エ・マリ・キュリー大学のジュシューキャンパスにて発表された。
クリエイティブディレクターにセルジュ・ルフュー(Serge Ruffieux)が就任して以来、初のランウェイコレクションとなった今回。新しい物語のチャプターにふさわしく、初々しいフェミニティーに満ち溢れた都会的なデイリーウエアが並んだ。
幕開けはスポーティーなポロシャツ風ドレス。キルティングジャケットやサファリスーツ、ワークウエアをアップデートしたようなミディドレスなど、アクティブなムードを感じさせるルックが続く。目を引くのは、空気を含んだような浮遊感のあるフォルムやギャザーがたっぷり入ったウエストのシェイプ。ユニークなシルエットを強調するのは、短く仕上げられたフロントのカーヴィーライン。全体的な印象はエフォートレスでありながら、直線と曲線が交わった計算ずくのフォルムが構築的な余韻を残していく。コットンやシルク、インド更沙綿など、さまざまなマテリアルが投入されたボトムスも、プリーツやアシンメトリーなヘムのラインによって軽やかさが強調され、フレッシュで繊細な印象だ。
中盤からは、ネオグリーンやレモンイエロー、コーラルやオレンジなど、どことなく甘酸っぱさを感じるカラーパレットに、手書きの風合いが残る大胆なチェックやジオメトリックがミックスされ、中世を思わせる動物柄のアイテムも登場した。ともすればバラバラに見える掴みどころのないモチーフは、統一されたシルエットへのこだわりによって小気味よいアクセントに昇華されている。ステッチや刺繍のあしらいも、セルジュ・ルフューの繊細な感性やメゾンのクラフトマンシップを印象付けるかのように、ひそやかに輝きを放っていた。
足元を飾るのはレザーとラフィアのハイブリッドサンダルやモカシン。バッグはチャーム付きのクラシカルなレザーバッグ、フリンジが揺れるショルダーバッグ、サファリモチーフの大きなトートバッグなど、都会的な女性をイメージしたリアリティーのあるアイテムが多く見られた。ショーを終えてみると、大志を秘めた静かな船出だったように思える。しかし、この洗練された慎ましさこそ、新生カルヴェンの大いなる魅力の一つなのだ。
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