竹久夢二の全貌を500点の作品で! 東京ステーションギャラリーで「夢二繚乱」開催
FASHION HEADLINE / 2018年3月15日 17時0分
第3章は「目で見る音楽」。数多くの楽譜の表紙を描いた夢二。代表的なのは、セノオ音楽出版社より発刊されたセノオ楽譜で、日本や世界各国の楽曲のイメージをさまざまなジャンルの要素を取り入れたデザインで表現した。夢二は自ら作詞を手がけた「宵待草」のほか270点余りの楽譜で、いわばジャケットを任されていた。また、夢二は童謡の楽譜にも積極的に参加。夢二が描いた大正時代の豊かな音楽の世界を紹介する。
第4章は「出帆」。昭和2(1927)年に都新聞で連載された『出帆』は、夢二の半生を綴った自伝小説。挿絵には、彼の愛した女性たちや彼女たちと訪れた風景、あるいは抽象的な心理描写などが水墨で描かれている。『出帆』の連載後に海外へ旅立った夢二は、自ら新聞記事を切り抜いてまとめ、『出帆』の書籍化を友人らに託していた。
自伝的小説『出帆』は、134点の挿絵が付けられ、発表当時大きな話題となった。本展では、この挿絵原画全点を一堂に初公開。この時代の小説で、挿絵原画がすべて残されているのはたいへん珍しい例。夢二円熟期の傑作挿絵を存分に堪能できる。
本展は、過去最大級の500点を超える展示品によって、夢二の多彩な活動をさまざまな角度から紹介する。数多く出版された自身の画集をはじめ、装幀本、楽譜集、子どものための絵、絵葉書や千代紙、半襟のデザイン、そして肉筆画に至るまで、竹久夢二の全貌を感じられる展覧会となっている。
会期中は様々なトークイベントも開催。5月31日、6月14日の15時から行われる担当学芸員による展覧会解説のギャラリートークの他、本展関連記念講演会として千葉市美術館学芸員の西山純子による「ジャーナリズムと竹久夢二」を、5月31日に千代田区立日比谷図書文化館地下1階大ホールにて開催。6月5日には千代田区役所1階区民ホールにて、日比谷図書文化館学芸員の井上海による「出版活動と千代田、龍星閣コレクション」が、6月21日には日比谷図書文化館地下1階大ホールにて、美術史家の岩切信一郎による「装幀・出版からみた竹久夢二」が開催される。関連記念講演会は事前申込制。
なお、前売券をローソンチケット(Lコード=35577)、イープラス、CNプレイガイド、セブンチケットにて、一般700円、高校・大学生500円で5月18日まで販売中。東京ステーションギャラリー窓口では5月6日までの開館日(閉館30分前まで)に限り販売中。
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