岡本太郎の「太陽の塔」に込められたメッセージを探るドキュメンタリー映画が今秋公開
FASHION HEADLINE / 2018年7月3日 19時0分
大阪万博開催から48年、今もなお大阪のシンボルである太陽の塔についての、“最初で最後のドキュメンタリー映画”「太陽の塔」が、9月29日より、新宿シネマカリテ、渋谷・シネクイント、シネ・リーブル梅田ほか全国公開。
1970年、高度経済成長に沸く日本で、「人類の進歩と調和」というテーマで開かれた大阪万博。そこでひときわ異彩を放っていたのが、前衛芸術家・岡本太郎が制作した太陽の塔だった。2018年3月、48年ぶりに内部展示である「生命の樹」の一般公開が始まるやいなや、見学希望者が殺到。一時はサイトのサーバーがダウンする事態にまでとなった。そして今秋には「太陽の塔」展の開催も決まっており、48年の時を超えて、再び太陽の塔に注目が集まっている。
作者である岡本太郎は、80年代に「芸術は爆発だ!」という言葉で、一躍世間の注目を浴びる。「凡人の理解を超えた変わり者」というタレントのイメージもあるが、画家・写真家・彫刻家・建築家・思想家の顔を持ち、芸術家という言葉にはとうてい収まり切らないスケールの大きな人物であった。本作では、そんな岡本太郎に影響を受けた人々をはじめ、総勢29名へのインタビューを敢行。芸術論だけでなく、社会学・考古学・民俗学・哲学の結晶としての岡本太郎が語られ、「太陽の塔」に込められたメッセージを解き明かす。
監督は、これまでにミュージックビデオやCMを手がけ、カンヌ広告祭ではヤングディレクターズアワードなど3部門を受賞するなど、日本を代表する若手映像クリエイターとなった関根光才。長編ドキュメンタリー映画は初監督となる本作は、あえてナレーションを使わず、時にはフィクションの映像を用いながら、太陽の塔に新たな命を吹き込んだ。
当時太陽の塔の制作に関わった関係者や専門家たちのインタビュー、貴重な万博当時の映像、岡本太郎のルーツ、そして同時期に制作された“明日の神話”のテーマを探ることにより、太陽の塔からのメッセージを浮き彫りにする本作。岡本太郎は何のために創ったのか?、今でも人びとが太陽の塔に惹かれるのはなぜなのか?、「太陽の塔」の謎がいま明かされる。
大阪・あべのハルカスでは、展覧会「太陽の塔」が9月15日から11月4日まで開催される。太陽の塔の構想段階から完成、再生事業までを立体的なアプローチで網羅する。
岡本太郎の感性を大きなスケールで体感するこの機会。是非、体験してみては。
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