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原美術館でフランスの女性現代美術作家・ソフィ カルの個展を開催、19年前の展覧会をフルスケールで再現

FASHION HEADLINE / 2018年12月6日 17時0分

Sophie Calle Exquisite Pain, 1984-2003

原美術館で19年前に開催し大きな反響を呼んだ、世界的に注目されるフランスの女性現代美術作家・ソフィ カル(Sophie Calle)の個展「限局性激痛」を、フルスケールで展示する再現展『「ソフィ カル―限局性激痛」 原美術館コレクションより』を、2019年1月5日から3月28日まで、原美術館にて開催する。

Sophie Calle Exquisite Pain, 1984-2003 
© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018

同展は日本の美術館におけるカルの初個展として開催され、会期終了後、全出品作品がコレクションに加えられた。「限局性激痛」とは、医学用語で身体部位を襲う限局性(狭い範囲)の鋭い痛みや苦しみを意味し、カル自身の失恋体験による痛みとその治癒を、写真と文章で作品化したもの。人生最悪の日までの出来事を、最愛の人への手紙や写真で綴った第一部と、不幸話を他人に語り、代わりに相手の最も辛い経験を聞くことで自身の心の傷を少しずつ癒していく様子を美しい写真と刺繍で綴った第二部で構成されている。

Photo : Jean-Baptiste Mondino
見知らぬ人々を自宅へ招き、自分のベッドで眠る様子を撮影したものにインタビューを加えた「眠る人々」(1979年)や、ヴェネツィアのホテルでメイドをしながら、宿泊客の部屋の様子を撮影した「ホテル」(1981年)、拾ったアドレス帳に載っていた人物にその持ち主についてのインタビューを行い、日刊紙リベラシオンに連載した「アドレス帳」(1983年)など、常に論争を巻き起こしている彼女の作品。90年代の「本当の話」や「ヴェネツィア組曲」などの初期の代表作を制作する一方で、「盲目の人々」(1986年)から始まった盲人に焦点を当てたシリーズにおいて、美術の根幹に関わる視覚・認識についての深い考察を行っている。

また、カルの生き方に感銘を受けたポール オースター(Paul Auster)が、彼女を小説「リヴァイアサン」の登場人物マリア ターナーのモデルとしたことをきっかけに、逆にカルがターナーを演じた作品「ダブル・ゲーム」(1998年)を発表するなど、その活動は現代美術の枠組みを超えて広く注目を集めている。

「ソフィ カル―限局性激痛」1999-2000年 原美術館での展示
© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018

日本滞在が契機となって誕生した作品「限局性激痛」は、日本で最初に発表したいという作家の希望を受けて1999年の原美術館での展覧会のためにまず日本語版が制作され、その後フランス語や英語版も世界各国で発表された。フランス語版は、ポンピドゥー国立近代美術館での大個展(2003 - 2004年)に出品された後、同館コレクションに加わった。

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