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キム・ジョーンズのディオールはブラックフラッグのレイモンド・ペティボンをクチュール使い【2019-20秋冬メンズ】

FASHION HEADLINE / 2019年1月28日 10時36分

ディオール2019-20秋冬メンズコレクション

ディオール(DIOR)のウインター 2019-2020 メンズ コレクションが1月18日、エッフェル塔をバックにしたパリ7区のジョフル広場の特設会場で発表された。


Photo by BRETT LLOYD © DIOR

メンズ アーティスティック ディレクターがキム・ジョーンズに変わって2シーズン目となる今シーズン、コレクションの中核を成すグラフィックに起用されたのがレイモンド・ペティボン(Raymond Pettibon)。オルタナティブ・ロックのアイコンとなったソニックユースのアルバム「GOO」(1990年)のジャケットや、70年代後半から80年代に活動した米国西海岸のハードコアパンクバンド、ブラッグ・フラッグのジャケット、イラスト、フライヤーなどデザインを手がけた米国西海岸のアーティストで、現代美術作家として知られている。そのペティボンの代表作であるモナリザや彼が今回のコレクションのために描いたアニマルモチーフが全体のキーとなってコレクションが構成された。

キムのファーストコレクションとなったサマー 2019 メンズ コレクションのショーではKAWS、東京で発表されたプレフォール 2019 メンズ コレクションは空山基の巨大オブジェがショー会場でゲストを出迎えたが、今回はオブジェではなくモデルがオートウォーク(ベルトコンベアー)に乗って登場。ウォーキングしないモデル自体がオブジェという発想は、パリの街に数多ある男性の彫像をイメージしてというストーリーが背景となっている。

Photo by ADRIAN DIRAND © DIOR

ファーストシーズンのサマー 2019 メンズ コレクションがムッシュ ディオールのアーカイブをモチーフにしたPOPなアプローチだったのに対し、今回はダークでエレガントなコレクション。ディオールを代表する“Tailleur Oblique”の斜めのドレープなどウィメンズのオートクチュールを思わせるアーカイブからの引用はストリートカルチャーとは無縁。手法としてインサイドアウトな表現がコートやジャケットに見られるが、それは「裏も美しく」というムッシュ ディオールの哲学に沿ってのメゾンコードだ。

ファーストルックではペティボンのアニマルモチーがフロント全面にビーズ刺繍が施され登場したが、それもデザイナーとして最初にアニマルモチーフをモデルに着せて歩かせたというムッシュ・ディオールのヘリテージ。ペティボンの描いたレオパードモチーフは花柄のようにも見える。

© DIOR

アストラカンの風合いを表現したカシミアニット、プリーツとプリントの工程を複雑に幾重にも重ねたTシャツ、ナイロンにエンボスを施したモワレのコートなど、最新技術とサヴォワールフェールの伝統は、メンズのクチュール志向をより鮮明にしている。フィナーレに登場したモナリザのインターシャのシャツは制作になんと1,600時間を要したという。

© DIOR

この数シーズン、メンズファッションのトレンドを揺るがしたユースカルチャーをオートクチュールの技法に昇華していくキム・ジョーンズのディレクションは、ラグジュアリーブランドの未来の方向性を分かりやすく示している。



公開されたキム・ジョーンズのインタビュー


登坂広臣、福士蒼汰、けみお、ロバート・パティンソン、ケイト・モス、プシャ・Tといった来場ゲストたち


Text: Tatsuya Noda

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