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「自分の信じた音楽を続けていく」Ghost like girlfriend:音色が映す新時代vol.2【interview】

FASHION HEADLINE / 2019年6月26日 17時0分

シンガー・ソングライターの岡林健勝によるソロ・プロジェクト、Ghost like girlfriendが、6月19日に待望の1stアルバムにしてメジャー・デビュー作『Version』をリリースした。

元号も変わり、新時代がスタートした今、彼の目には現代社会はどう映っているのか。今回、新時代を彩る注目アーティストへのインタビュー連載第2弾として、Ghost like girlfriendをフィーチャー。本連載のvo.1に登場したMega Shinnosuke同様、Spotifyが今年大きな飛躍を期待する新進気鋭の国内アーティスト10組「Spotify Early Noise 2019」にも選出されるなど、大きな注目を集めながらも、つい最近までは顔も出さずに匿名性の高い活動をしていたGhost like girlfriend。

音楽活動を始めたきっかけやアーティスト名の由来、音楽や社会において感じている未来への可能性とは? 様々な質問をぶつけてみた。






――KinKi Kidsや堂本剛さんが音楽を始めるきっかけだったとのことなのですが、どんな所に惹かれたのでしょうか?


最初は堂本剛さんのファッションがすごく個性的だったところから興味を持ちました。その後、雑誌のインタビューや彼の著書を読むと、当時とても辛い想いをしていたということが書かれていて、それがその時に自分が抱えてた悩みや辛さに近いものがあるなと思ったんです。著書の中で「そんな状況を救ってくれたのが音楽だった」といったことをおっしゃっていて。どうしようもなく辛い状況になった時に音楽にすがるという選択肢を与えてくれたのが堂本剛さんでした。

――では、岡林さんも辛い状況を乗り越えるために音楽を?

はい。高校生の時に好きだった女の子が不登校になってしまって。当時、そんな彼女を学校に行けるように、人と会えるような状態にしてあげようっていう目的が、自分のアイデンティティだと思っていたんです。でも、彼女は突然学校を辞めてしまって、会うことができなくなってしまった。その時に自分の中に残った彼女への気持ちや、話そうと思っていた会話のタネは曲にするに値するものなんじゃないかなと思って。歌にすることでその気持ちを歌の中に閉じ込めることができたような気がしました。

Ghost like girlfriendのロゴ

――そこから自分で作った曲を、誰かに聴いてほしいと思ったのはなぜでしょう?

音楽を自分の新しいアイデンティティにしたかったからだと思います。アイデンティティを形成するにあたって“人からの評価”が必要だなと。でも、地元にはライブハウスもなくて、バンドメンバーもそろわなかったので、色々な事務所やレーベルに音源を送ってみることから始めました。

――インディーズでの活動を経て、6月19日にリリースした初のフル・アルバム『Version』は、どんな作品になったと言えますか?

前のミニアルバム3作でやってきたことを踏襲しながら、まだ広げられていない所に風呂敷を広げていくイメージで作りました。初めてのフルアルバムで、しかもメジャーデビュー作品ということで、これからの人生でも度々振り返るであろう作品になったと思います。なので、一生聴いて欲しいし、自分も一生歌えるように「80歳の自分ならこういうキーで、こういう間で歌うだろうな」みたいなことも想像しながら作りました。これまでの最高傑作でありながら、これからの作品の基準にもなるアルバムになったと思います。



――メジャーレーベルからリリースするということで、これまでとの違いは感じていますか?

作品を作る過程においては大きく変わったことはありませんでした。ただ、広めようとしてくれる人がたくさんいる、ということは裏を返せば、信念のない作品でも広まってしまう恐れがあるということで。より自分らしい作品にしなければいけないな、と思いました。これまで以上に媚びないようにしようっていう気持ちが強くなりましたね。

――アルバムを作るにあたって苦労したポイントはありますか?

「girlfriend」という曲は編曲のパターンがあり過ぎて困りましたね。元々はLampというバンドや松田聖子さんの「SWEET MEMORIES」みたいな曲にしようと思っていたんですが、自分の技量が全然追いつかず……。懐かしさを取り入れつつ自分の血を通わせるにはどうすればいいんだろう、と一番苦労しながら作りました。そのおかげでアルバムの中で1、2を争うほど好きな曲になりました。



――「Midnight Rendez-Vous」ではKing Gnuの常田大希さんが参加されています。彼から刺激を受けた部分はありますか?

ギターソロとコーラスをお願いしたのですが、戻ってきたデータが想像以上に多くて。ギターソロの後ろでシンセっぽい音が鳴っていたり、お願いしていなかった場所にもめちゃくちゃ彼の色が散りばめられていて。あの人はこうやって音を作ってるんだなっていう気づきにもなりました。今まで一人でやってきて、あまりこういう機会はなかったので、すごく勉強になりましたね。





――常田大希さんもそうですが、今作の初回限定盤にもリミキサーとしても参加しているSASUKEさん、そして先日のSpotify主催イベント「Early Noise Night」でも共演したMega Shinnosukeさんなど、年齢は違えど共に“新世代アーティスト”として語られる方たちに共通して感じる部分はありますか?

ちょうどイベントのMCでも話をしたんですが、4、5年前は高速BPMや裏打ちのビートとか、世の中のトレンドに自分のカラーをどうやって乗せるか? というフォーマットありきの作品の作り方が横行していたような気がするんです。でも、今は自分の生きがいや、自分自身のクリエイティビティーを素直に反映させた音楽を鳴らしている人たちが増えてきて。さらに、そういう人たちが自然とスポットライトを浴びる時代になってきている。自分も含めて今名前を挙げられたアーティストの方たちは、仮に10年後に「時代遅れ」と言われようとも、自分の信じた音楽を続けていく人たちなんじゃないかなと思います。

――元号も変わって、時代が新しくなる機運もありますが、今の時代に対して感じることはありますか?

僕は出身が兵庫県の淡路島で、生まれた翌年(1995年)に阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件がありました。当時のリアルな空気感は僕にはわかりませんが、今ってその時に似た空気感が漂っているような気がしているんです。でも、皮肉なことに世の中がカオスになればなるほど、文化は豊かになるんじゃないかっていう考えもあって。世の中に対する諦めみたいな気持ちが、作品をより自由で豊かなものにするというか。自分にも少なからずそういう側面があると思います。

実際に、1995年頃って音楽的にはめちゃくちゃいい時代だったんですよね。だから、健やかなスタンスの音楽がたくさん鳴っているということは、逆説的に世の中がヤバイ状況なんじゃないかなって。音楽的には良い時代だけど、社会に対する希望はない、みたいな(笑)。本当に皮肉なことなんですけど。

――岡林さん自身は、アーティストとして今後どのようなビジョンを描いていますか?

50歳か60歳ぐらいになった時に「ご飯美味しい」みたいな、ただそれだけを歌詞にした曲を出したくて(笑)。 もし仮に、今そんな歌を歌っても全然説得力がないし、歌の背景を汲み取ってくれる人もいないと思うんです。ただ、これから色々な人に自分の音楽が届いて、自分の人生や生き様を知ってもらえた上で、そういう歌を聴いてもらって、感動や共感をしてくれる人がいたら、初めて自分のやってきたことや人生に意味を見出せる気がするんです。そのためにも、1日1日を大事に生きて、一人でも多くの人に音楽を届けるっていうのを続けていきたいなと思います。








Ghost like girlfriendのメジャー・デビュー・アルバム『Version』が6月19日リリース!

Ghost like girl friend『Version』
Release Date:2019年6月19日(水)
Label:EMI Records
初回限定盤【2CD】:UPCH-29331/2(3,200円)
通常盤【CD】:UPCH-20517(2,800円)

初回盤

通常盤

Tracklist:
[CD(初回限定盤、通常盤共通)]
1. Last Haze
2. girlfriend
3. Midnight Rendez-Vous
4. sands
5. pink
6. あれから動けない
7. shut it up
8. burgundy blood
9. Under the umbrella
10. fallin’
11. feel in loud

[初回限定盤ボーナス CD 収録内容]
1. fallin’(AmPm remix)
2. 煙と唾(EVISBEATS remix)
3. (want)like(lover)(パソコン音楽クラブ remix)
4. 髪の花(SASUKE remix)
5. Tonight(Night Tempo remix)
6. cruise(TiMT remix)

Ghost like girlfriendオフィシャルサイト


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