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トーガを筆頭に中堅デザイナーが健闘。独自に進化するロンドンの今【2020春夏ロンドンウィメンズ総括:前編】

FASHION HEADLINE / 2019年9月27日 12時0分


ロンドン・ファッション・ウィークの目玉であり、著しく成長する中堅、ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)も、程よくリラックスムードが漂う素晴らしいコレクションを発表しました。毎シーズン注目されるのはコレクション内容だけでなく、アートに造詣の深いクリエイティブ・ディレクター、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が誰のどんな作品からインスレピレーションを受けるのかという点です。今季はカナダ人ヴィジュアルアーティストのリズ・マゴー(Liz Magor)という女性。「彼女が作品を通して伝えようとする“見る”という行為に惹かれた。不要になった物に焦点を当て、新たな居場所を与えるというアイデアだ。雑音を打ち消しシルエットにフォーカスした」とショー後のバックステージでアンダーソンは語りました。ショー会場内には、透明のバックスに古びた人形、古着、おもちゃなどの不用品が無造作に入った彼女のオブジェが飾られており、その間をモデルが闊歩するような演出です。ドレープの効いたアシンメトリーなドレス、スリーブが誇張されたトレンチコート、ウエストラインから妙に膨らむテーラードジャケットなど、芸術的とも言える程変幻自在なシルエットが印象的です。さらに、今季は煌びやかなジュエリーの装飾が目立ちました。エスパドリーユのレースでボトムスの裾をロールアップするスタイリングは、手持ちのシューズで今すぐにでもトライしてみたい!


クリストファー ケイン2020年春夏コレクション
中堅ブランド、クリストファー ケイン(CHRISTOPHER KANE)はラグジュアリーグループ「ケリング(Kering)」を離れてから初となるコレクションを披露。アイキャッチーではあっても売り上げに直結せず、ここ数シーズンは厳しい評価を受けていたところで独立の発表。業界人から懸念の声が多かったものの、気持ちが吹っ切れたのか本来のケインらしいサイケデリックなクリエーションを見せてくれました。コレクションの大テーマは、自然! 野草が華やぐ野原のプリントから秋めくペイズリー柄、鮮やかなブルーの空へ到達したかと思えば、地球を飛び出し宇宙へ。細胞構造の図解のような変容な柄のPVCのブーツやバッグ、ドレスの胸元のディテールが目を引きました。環境問題から触発され、自然をテーマにするブランドは最近多く見られますが、これほどまでにフューチャリスティックで楽しみに満ちたコレクションは初めてで、ケインの才能が際立っていたように思います。フィナーレでは、MORE JOYの文字プリントTシャツを着用したケインが挨拶しました。“人生は楽しんだ者勝ち! ”と言わんばかりの空気感とコレクションはエネルギッシュ。新たな方向へと舵を切った「クリストファー ケイン」の今後が楽しみです!


クリストファー ケイン2020年春夏コレクション
クリストファー ケイン2020年春夏コレクション全ルック


後編:シモーネ ロシャの成功例に続くロンドン若手デザイナーは?

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