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シモーネ ロシャの成功例に続くロンドン若手デザイナーは?【2020春夏ロンドンウィメンズ総括:後編】

FASHION HEADLINE / 2019年9月27日 13時0分

業界人がロンドンへ来る大きな目的は、新たな才能の発掘! ロンドンのモード業界全体で若手デザイナーのサポートに精を入れており、セント・マーチンズ美術大学やロイヤル・カレッジ・オブ・アートなど、名だたる名門校の卒業コレクションは毎年大注目されます。挑戦的でアヴァンギャルドな作風はロンドンならではですが、あくまで“作品”であり商品としてファッションビジネスに落とし込むのに苦戦し、ブランド継続が難しくなるケースも少なくありません。

【2020春夏ロンドンウィメンズ総括:前編】ではビジネス的にも成長する成功例を挙げましたが、【後編】ではその可能性を秘めた若手デザイナーを主にご紹介します!


モリー ゴダード2020年春夏コレクション
ロンドンで最も輝かしい新たな才能の一人と目されるモリー ゴダード(MOLLY GODDARD)。チュールとタフタが奇妙なバランスでミックスされる華美なドレスは、セレブリティの私服や歌手のツアー衣装として着用され、セント・マーチンズ美術大学在学中から注目を集めました。2014年に同大学を中退してブランドをスタートし、ロンドン・ファッション・ウィークで発表を続けています。デザイナー、モリー・ゴダード(Molly Goddard)自身もチュールのドレスにスニーカーを合わせるというスタイリングでアイコニックな存在になりつつあります。ブランド5年目の過渡期、次のステージへとステップアップするには、チュールのドレスだけでなく、それに合わせるカジュアルなアイテムやバッグなどの小物類が鍵になってきます。2020年春夏コレクションでは、ラッフルのトップスやミドル丈スカート、ニットウエア、初となるデニムを使ったアイテムが登場しました。生産は未定ですが、バッグも数種類オリジナルで制作。ラフな眉毛にキャットアイ、ダークカラーのリップで全体的に毒っ気のあるロマンティシズムなショーに仕上げましたが、バイヤーや顧客から受け入れられるかは微妙。アイテム単体で見た時に、ドレス以外のアイテムに強い個性が感じられず、まだまだ成長の余地がありそうだなと感じました。



モリー ゴダード2020年春夏コレクション
モリー ゴダード2020年春夏コレクション全ルック


モリー ゴダードと同じロマンティック路線での成功例といえば、シモーネ ロシャ(SIMONE ROCHA)です。2010年セント・マーチンズ美術大学卒業と同時にロンドン・ファッション・ウィークでデビューを果たし、着実にクリエーションとビジネス両面でブランドを発展させています。今季は19世紀に建設された劇場アレクサンドラ・パレスをショー会場に、デザイナー、シモーネ・ロシャ(Simone Rocha)の出身地であるアイルランドの伝統行事から着想を得たコレクションを披露しました。陶器の絵柄、テーブルクロス、壁紙、カーテンなどホームインテリアをヒントにしたプリントや生地によって、どこか温かく懐かしい雰囲気。シアーなチュールを合わせたテーラードや、膝あたりで寄せたギャザーによってバルーンに膨らむシルエットのドレスなど新たな提案もありました。私が特に気になったのはシューズです。ヒールがクリスタルのシューズは「シモーネ ロシャ」のシグネチャーですが、今季はさらにパールやスタッズといった甘辛ミックスの装飾が施されており挑戦しやすそうでした。ショーを見ていたアナ・ウィンター(Anna Wintour)が、フィナーレ直後に小走りでバックステージへ向かいロシャを祝福していた光景が印象に残っています。ウィンターもうならせる、エモーショナルでダイナミック、最上級にカワイイコレクションでした。

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