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ジャガー・ルクルトが葛飾北斎にオマージュを捧げる 2つのタイムピースを発表

FASHION HEADLINE / 2023年11月3日 13時0分

Courtesy of JAEGER LECOULTRE

滝の美しさと力強さを捉える

『木曽海道小野ノ瀑布』は、歴史的な首都である京都と徳川将軍の本拠地である江戸(現在の東京)を結ぶ古道にある、長野県の名所を描いています。滝に隣接する岩が目立つ崖には小さな神社があり、その下の橋の上には旅人たちが滝の水の勢いに恐れ慄くようにして立っています。この絵の構図は、そびえ立つ2つの崖の間に水が真っすぐ垂直に落ち込んいることによって、その力強さがさらに増幅されています。日本人は伝統的に、圧倒的な物理現象は神または神道の神の存在を示すものであると信じており、北斎は彼のアニミズム的信念を反映して、生命の力強さを表現するようにこの場面を描きました。

『和州吉野義経馬洗滝』は、有名な日本の物語である将軍・源義経(1159~1189年)のエピソードを描いています。後白河天皇と通じたことで自分を裏切り者とみなした兄から逃げていた義経は、吉野(現在の奈良県)の山中で休憩し、愛馬を洗ったとされています。このパワフルでグラフィカルな構図では、滝の力強い曲線が、木々が生い茂る深い谷を流れる水の勢いを最大限に表現しています。指を広げて地球を抱く巨大な手をイメージさせるこの作品は、自然、人間、動物の関係性を見事に表現しています。


Courtesy of JAEGER LECOULTRE

細密画における芸術性と正確さ

レベルソのケースバックに描かれた細密画には、仕上げにジュネーブ技法が使用されていますが、この下には800°Cで焼成されたエナメルが少なくとも14層重ねられており、これには合計80時間におよぶ入念な作業を必要とします。北斎のオリジナルの色使い(グラデーションを描くボカシ効果を含む)をまったく異なる手段で再現するという技術的偉業に加え、エナメル職人にはオリジナルの約10分の1のサイズで、あらゆるディテールを寸分の狂いもなく正確に再現するという課題も課されました。最も注目に値するのは、フレームの上部にあるカルトゥーシュです。このカルトゥーシュには、オリジナルのキャプションが非常に小さなサイズで手書きされており、見事なまでに正確に再現され、完全に読み取ることができます。エナメル職人は、この技術的偉業を習得するだけでなく、それぞれの作品に感情と魂を吹き込むように、北斎のオリジナルの意図とタッチを表現することが求められます。

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