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手作業の仕上げを堪能。スイス高級時計ブランド「ローマン・ゴティエ」の最新鋭のスケルトンウォッチ

FASHION HEADLINE / 2020年8月28日 21時0分


素材の選定:超軽量チタン
インサイトマイクロローター・スケルトンは、地板と8個の受け(ブリッジ)がスケルトン化されています。地板と受け(ブリッジ)はこれまで真鍮で作られていましたが、スケルトン化に必要な強度と軽さを確保するためにグレード5チタンを採用、ムーブメントの重量は28gから16gになりました。またグレード5チタンはガルバニック処理をせずとも自然な色味を実現し、手作業で磨きを施すこともできます。ローマンは次のように述べます。

「チタンを理想通りに加工するのは本当に難しいです。一つ一つのパーツの完成には、既存の素材より多くの工程が必要です。機械もすぐにダメになってしまいがちです。火事の危険もあるので夜中に無人で機械を動かすこともできません。そして何よりオペレーターの手腕が問われます、±2ミクロンの範囲内で仕上げなければならないのですから。ほんの少し穴が小さいだけで、時計師が軸受けの石を置いた際にパーツが割れてしまうのです。」


手作業による仕上げの最高峰


チタンを加工することよりも、さらに大変なのが手作業による仕上げです。2005年のブランド誕生以来、高い評価を受ける「手作業による仕上げ」。その代表的なものが面取りです。面取りの美しさは、表面と側面の間の部分に面を作り、その面に磨きを施すことで生まれます。面取りは次のような工程に分かれます。1.スチールのやすりで丸みを帯びた面取りを行う 2.アルミナで面を整える 3.エメリーペーパーを用いて仕上げる 4.ジャンシャン(ジュウ渓谷に自生するリンドウの一種)の茎からできた棒とダイアモンドペーストを使用して磨く

受け(ブリッジ)と地板のスケルトン化は、高いスキルをもつ面取りのチームをもってしても、初めての取り組みばかりでした。まずスケルトン化に伴い、156もの角が生まれました。とくに内側の角は手作業で使う道具が入りにくく、困難を極めました。そしてチタン特有の素材の問題もつきまといました。

ローマン・ゴティエの面取りチームの責任者であるシルヴィー・デヴォ―は次のように述べます。「面取り職人としてのキャリアは17年になりますが、チタンをこれほどまでに用いたムーブメントに携わったのは初めてです。これまで真鍮、スチール、金、洋銀などを扱ってきて、チタンもロジカルワンのコンスタントフォース機構の部分に用いていますが、この部分だけでも手作業での仕上げに約20時間費やします。インサイトマイクロローター・スケルトンは私自身や私のチームにとって、まさに未知への挑戦でした。チタンは、加工はもちろん手作業の仕上げも困難を極めます。真鍮に面取りを施すのに比べ、すべての工程において時間がかかります。時には同じ工程を繰り返さなければなりません。また、小さな粒子が素材に傷をつけ、スポットが残ってしまった時はやり直さなければなりません。

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