1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ファッション

時計界のノーベル賞「ガイア賞」を受賞した独立時計師が作る時計。スイス時計ブランド「ハルディマン」

FASHION HEADLINE / 2020年11月18日 14時0分

構造の特徴としては、まず香箱が3つあります。1つ(9時位置)は時分針を動かすためのものであり、残り2つ(7時と11時)はトゥールビヨン用です。

1960年代の投影機を用い、ハルディマンスイスレバー式脱進機のアンクル先端を拡大したもの。1960年代の投影機を用い、ハルディマンスイスレバー式脱進機のアンクル先端を拡大したもの。
脱進機は、スイスレバー脱進機をトゥールビヨン用に拘束角を適正化した「ハルディマンスイスレバー式脱進機」を使用しています。ハルディマン家がかつて製作した懐中時計に使われていた脱進機に着想を得たもので、ユニークな形状のアンクルを特徴とし、ガンギ車の横側にアンクルの爪石が接します。


そのチクタク音は、文字盤の上の風防に囲まれた大きなスペースで反響します。この音は、トゥールビヨンの生みの親であるアブラアン・ルイ・ブレゲの懐中時計のそれを目指したものです。なおベアト・ハルディマンによると「アブラアン・ルイ・ブレゲが今も生きていたらきっと中央にトゥールビヨンを配置しただろう」とのこと。


中央にトゥールビヨンを配したことにより、ブレゲ針の時分針は付け根にあたる部分がありません。トゥールビヨンから生えているようにも見える時分針は、文字盤上のトゥールビヨンの外周付近の小さな溝から出ています。文字盤の下にコニカルホイール(傘回しの傘のような歯車)が入っていて時分針を動かしているのです。

2.1642年以来続くハルディマン家の時計

ハルディマン家がかつて製作した懐中時計。針のデザインは現代のハルディマンの時計に通じている。ハルディマン家がかつて製作した懐中時計。針のデザインは現代のハルディマンの時計に通じている。
現在、ハルディマンでは1642年以来、ハルディマン家が製作したすべての時計の修理を受け付けています。ベアト・ハルディマン自身もハルディマン家が過去に製作した時計を買い戻して収集しています。現在、ベアト・ハルディマンが作るハルディマンの時計も、かつてハルディマン家が製作した時計のように「世紀を超えて使えること」に重きをおいています。例えば、文字盤や針に、敢えてステンレススティールを用いるのは長きにわたり使える素材であるためです。また修理に関しても、その時計が存在する限り、オーナーが交代しても修理を行うと明言しています。ベアト・ハルディマンのこの姿勢は、いずれ彼の後継者にも継承されることになっています。

3.ガイア賞受賞


時計界のノーベル賞とも言われる国際時計博物館(スイス、ラ・ショー・ド・フォン)の「ガイア賞」を受賞(2009年)。時計の製作背景を含むガイア賞授賞式の様子は日本でも放映されました。(『世界遺産への招待状 Travel25 スイス ウォッチバレー』(NHK総合、2009年))

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください