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【ルック】キム・ジョーンズによるフェンディのデビューコレクション。2021年春夏クチュールコレクションを発表

FASHION HEADLINE / 2021年1月29日 19時0分

Fendi Couture Spring/Summer 2021

Fendi Couture Spring/Summer 2021


“空虚なつまらないものに思えても衣服は身を温かく保つよりも大切な役目を果たすようだ。それは、世界に対する私たちの見方そして私たちに対する世界の見方を変えるのだ”
― ヴァージニア・ウルフ 『オーランドー』より

ブルームズベリーからボルゲーゼへ
超越的なロマンスと時代を超える創造性に思いを巡らせながら、キム・ジョーンズ(Kim Jones)は、フェンディ(FENDI)のデビューコレクションにおいてブルームズベリー・グループ(Bloomsbury Group)の型破りな英国的感性から着想を得ると同時に、ローマ(Rome)に本拠を置くメゾンの名高い歴史にも敬意を示しています。

フェンディ2021年春夏クチュールコレクションでは、多様なインスピレーションが共通点を見出し、織り合わされ、ヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)とヴァネッサ・ベル(Vanessa Bell)姉妹の、伝統から解放されたクリエイティビティの永続的な魅力を、イタリア彫刻とフェンディの根本を成すコードが語る不朽の言語とともに探究しています。ヴァージニア・ウルフが「オーランドー(原題:Orlando)」に綴ったように、「記憶は気まぐれなお針子」なのです。

時を旅し、両性の境界をぼやけさせる小説を、本コレクションの主テーマとし時間の性質は歪められ、精妙な両性具有が生来の実体ではなく、流動的な選択として現れます。フェンディの創立から僅か3年後の1928年にヴァージニア・ウルフからヴィタ・サックヴィル=ウェスト(Vita Sakville-West)に宛てて書かれたラブレターともいえる『オーランドー』の文学的要素がコレクション全体に散りばめられています。ある時は金属を結合させた手帳型クラッチとして、またある時はマザーオブパールのミノディエール、あるいはレザーブーツに記された文字列として登場します。作曲家マックス・リヒター(Max Richter)の音楽が流れるなか、ヴァージニアとヴィタの数十年におよぶ交際期間に交わされた手紙の抜粋が、フェンディ家の人々と友人たちによって朗読されます。

ブルームズベリー・グループがサセックス(Sussex)州の拠点とした「チャールストン・ファームハウス(Charleston Farmhouse)」は、実際にキム・ジョーンズが子ども時代の大半を過ごした場所から近く、ここで見つかったモチーフをビーズで飾ったブーツや、手描きのヒールとして蘇らせました。壁を飾るヴァネッサ・ベルと画家ダンカン・グラント(Duncan Grant)のフレスコ画はガウンの刺しゅうとして施されました。「この一家、特に先駆的な2人の姉妹の生き方、自ら切り開いた自由、世界に残したアートに憧れます」とキムは語ります。

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