【博多ストーカー殺人】遺族「娘は戻ってきませんが極刑を」検察は懲役30年を求刑「一片の慈悲もなく」男「ほんまに待ち伏せなどしていません」弁護側「ストーカー行為は無罪」 判決は28日 福岡地裁
FBS福岡放送ニュース / 2024年6月24日 18時10分
2023年1月、福岡市のJR博多駅近くで、元交際相手の女性を殺害したなどの罪に問われている男の裁判員裁判です。検察は24日、「一片の慈悲もなく残忍極まりない。短絡的、自己中心的な動機に酌量の余地はない」として、被告の男に対し懲役30年を求刑しました。
起訴状によりますと、住居不定、無職の寺内進被告(32)は2023年1月、JR博多駅近くで、元交際相手の川野美樹さん(当時38)を待ち伏せし、包丁で何度も刺して殺害したなどの罪に問われています。
24日の裁判員裁判では初めに、川野さんの母親が書いた手紙が検察によって代読されました。
■川野さんの母親の手紙より
「一緒にご飯を食べ、大好きなお酒を一緒に飲むこともできません。胸に穴があいたようで、さみしさや切なさ、思い出ももう作れないと感じます。娘はストーカーの被害を受け、できるだけの手段を尽くしました。やりきれなさを感じます。厳しい処罰をしないと、悲しい事件を防げません。被告人は反省できると思えません。死刑にしても娘は戻ってきませんが、極刑を望みます。」
傍聴席からすすり泣く声が聞こえる中、寺内被告は表情を変えることなく一点を見つめていました。
検察側は「被害申告されたことを一方的に逆恨みし、被害者を待ち伏せしてつきまとい、ストーカーだと指摘を受け激昂し殺害した」と指摘し、「一片の慈悲もなく残忍極まりない。短絡的、自己中心的な動機に酌量の余地はない」として、寺内被告に懲役30年を求刑しました。
一方、弁護側は「被告は被害者と偶然会い、待ち伏せはしていない。包丁は護身のためいつも持ち歩いていたもので計画性はない」と主張し、殺人については認めるものの、ストーカー規制法違反については無罪だとして懲役17年が相当としました。
最終陳述で証言台に立った寺内被告は。
■寺内被告
「遺族の方、この度は大事な娘さんの命を奪ってしまい申し訳ございませんでした。毎日毎日後悔しています。幸せな家族の時間を奪ってしまい申し訳ありません。」
謝罪の言葉を口にする中、裁判長から「これでいいですか」と問われると。
■寺内被告
「ほんまに待ち伏せなどしていません。」
寺内被告は一言、そう付け加えました。判決は28日に言い渡されます。
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