【一転】初代「門司駅」遺構 機関車庫跡の基礎部分の一部を現地で保存へ 複合公共施設の建設計画の変更なし 北九州市
FBS福岡放送ニュース / 2024年11月21日 17時57分
北九州市門司区で見つかった初代「門司駅」の遺構について、市が方針転換です。遺構を記録した上で全てを取り壊す方針から一転、遺構の一部を現地で保存すると表明しました。
■児玉悠一朗記者
「複合公共施設の建設予定値となっているこの場所では壁が設置されていて、造成工事が進められています。」
北九州市門司区では、区役所の建物が建築から90年以上経過するなど、複数の公共施設で老朽化が進んでいます。市は8つの公共施設を集約した複合公共施設を門司港駅の近くに建設する計画をたて、2027年度の完成に向けて事業を進めてきました。
その過程で見つかったのが、初代「門司駅」の遺構です。市はこれまで、遺構を記録に残した上で、全てを取り壊す方針を示してきました。
しかし、専門家や市民団体などから現地での保存を求める声が相次ぎ、遺構の保存方法をめぐって、議論が続いていました。
21日午前、記者会見を開いた北九州市の武内市長は、初代「門司駅」の遺構について、機関車庫跡の基礎部分の一部を現地で保存するなど、5つの方針を表明しました。
■北九州市・武内市長
「現計画の範囲内におきまして、市として最大限、何ができるかを考えに考え、設計内容に変更することなく、遺構の一部分を残すことにしたい。」
武内市長はかつての海岸線の埋め立て工事が分かる部分の遺構は一部移築し、複合公共施設内に展示するなど、歴史的な財産として活用していきたいとしています。
■門司区民
「これでいいんじゃないですか。ちゃんと開発したほうがいい。」
「昔からこういうものがあったことは大事なことだけど(施設が)できてから飾ってほしい。」
遺構の現地保存を求め続けてきた、日本イコモスの副委員長で九州大学の溝口孝司教授は、FBSの取材に「大きく方針を転換されたことで、このような判断に謝意と敬意を示します。具体的な遺構の保存方法について、専門家の立場からの知識の提供に全力を尽したい」とコメントしています。
複合公共施設の建設予定地ではすでに造成工事が始まっていて、北九州市は方針の変更に伴う計画の変更はないとしています。
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