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「あまおう」の2025年問題とは 福岡のブランドイチゴを守れ 山積する課題にどう立ち向かう

FBS福岡放送ニュース / 2025年1月6日 17時44分

FBS福岡放送

福岡の高級ブランドイチゴ「あまおう」が「2025年問題」に直面しているのをご存じでしょうか。これまで福岡のみで生産されていたのですが、その権利が2025年1月で切れます。ほかにも課題が山積する「あまおう」、ブランドは維持できるのでしょうか。

「あまおう」は、「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」4つの頭文字から名づけられた、福岡県の高級ブランドイチゴです。

■奥村誠悟記者

「とれたての真っ赤なあまおう、いただきます。甘味と酸味が絶妙なバランスでとてもおいしいです。」

20年以上前から福岡県内のみで生産されていて、1キロあたりの販売単価は20年連続で国内最高値を記録しています。

服部知事

「イチゴの王様」としてその名を国の内外にとどろかせる「あまおう」について6日、服部知事は次のように語りました。

■服部知事

「トップブランドとしてのあまおうの地位をゆるぎないものとしていく努力を続けてまいりたい。」

育成者権が2025年1月に切れる

あまおうは今、「2025年問題」に直面しています。あまおうを独占して生産できる「育成者権」は福岡県が持っています。JA全農ふくれんは県と契約して、あまおうの栽培は福岡県内でのみ認められてきました。

しかし、その「育成者権」が2025年1月で切れるため、法律上は県外でも、あまおうと同じ苗で生産することが可能になります。ただ、あまおうという名前は商標登録されているため、仮に苗が県外に持ち出されても、あまおうと名乗ることはできません。

中島さん

■あまおう農家・中島司朗さん

「ヘタが反ってるもの。上に反ってるのが鮮度が高い証拠。」

福岡市西区のあまおう農家、中島司朗さん(44)は、脱サラしたあと、農業大学校に通ってイチゴについて学び、8年前に就農しました。

■中島さん

「特に手間がかかるのは、摘花をして玉を太らせてあげたり、実がなくなると枝を取ってあげる。こっちの花に栄養がいくように古い葉っぱを取ってあげたり、やることがいっぱいあります。食べてくれた人がおいしいと言ってくれたら、それだけで報われます。やったことが返ってくる。その時の喜びはひとしおです。」

生産力の低下が課題

中島さんのように新たに就農する人もいる一方で、生産力の低下もいま課題となっています。JA全農ふくれんによりますと、2003年度、あまおう生産者は2143戸でしたが、今年度は1422戸にまで減少しました。420ヘクタールあった栽培面積も、今年度は286ヘクタールまで縮小しています。

生産者の高齢化も進んでいて、新規就農者を確保するだけなく、最新技術の導入し、生産力の向上を図ることが求められています。

そうした中で「2025年問題」に直面する今、あまおう農家は、どう感じているのでしょうか。

■中島さん

「ちゃんとしたあまおうをしっかり作って、ブランドを守っていかないかんなというのはすごく感じます。誰でも作れるイチゴじゃないと思いたい。もともと農家が作ってたあまおうは違うよねと思われたい。みんな簡単にできたら結構ショックやもんなあ。頑張って勉強してきたけん。」

福岡県とJA全農ふくれんは、育成者権が切れたあとも「生産は県内でのみ行う」などとする誓約書を提出した生産者に限り、あまおうの苗を販売することで、ブランドを守る努力を進めていきたいとしています。

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