「臨界性を実験で検証する」模擬デブリを使用しデータ収集へ 福島
福島中央テレビニュース / 2024年7月19日 18時51分
燃料デブリの取り出しに向けて着々と準備が進んでいますが、その特性についてはまだわからないことが多いのが現状です。こうした中、茨城県の原子力研究施設では福島第一原発の燃料デブリを安全に取り出すため、必要なデータを集める調査が始まります。
こちらは茨城県にある日本原子力研究開発機構の実験施設です。
■大川悠輔 記者リポート
「こちらの装置では炉心の中に燃料と鉄やコンクリートなどを混ぜて配列することでデブリを模擬してその性質を調べるということです」
18日に報道陣に公開されたのは「STACY」と呼ばれる核分裂の連鎖反応が一定の量で持続する「臨界」の実験を行う装置です。福島第一原発の燃料デブリに関するあるデータを集めるため来月から運転を始めます。
■日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 曽野 浩樹 次長
「燃料デブリという特殊なものの臨界性を実験で検証するというのがSTACYの一番の役目ですので」
福島第一原発におよそ880トンあるとされる「燃料デブリ」。溶けた燃料のほか、鉄やコンクリートなどが混ざって固まっていてその特性はほとんどわかっていません。東京電力は早ければ来月にもその取り出しに着手しますが、作業を安全に進めるためには燃料デブリが再び「臨界状態」になることを防ぐ必要があります。そこで「STACY」では炉心に燃料や鉄を混在させた「模擬デブリ」を使い、燃料デブリが臨界状態になる条件などを調べます。
■日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 曽野 浩樹 次長
「データを使って実際(燃料デブリを)取り出す時にどういう状態になれば臨界になるのか、その手前で何らかの対策をとるのか。そういったものに役立てられるので、燃料の取扱い全般に使うことができる」
臨界状態になる条件が分かれば、取り出しだけではなく、燃料デブリを安全で効率的に保管する方法の検討などにも役立つといいます。
■日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 曽野 浩樹 次長
「実験データを多数取り揃えて(カット)燃料デブリの取り扱いの安全性向上に貢献していきたい」
廃炉の最難関とされる燃料デブリの取り出しに向けて期待がかかります。
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