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住宅購入の際の「手付金」とは? 「頭金」「内金」との違い

ファイナンシャルフィールド / 2021年3月9日 23時30分

住宅購入の際の「手付金」とは? 「頭金」「内金」との違い

住宅購入だけでなく、車を買う際にも聞くことがある「手付金」。これは売買取引の中でどのような位置付けになるのでしょうか。また、「頭金」や「内金」との違いも気になるところでしょう。
 
今回は、住宅購入の際の手付金、そして頭金・内金の内容とそれらの違いについて解説します。

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不動産売買における手付金とは?

不動産売買における手付金とは、売買契約書を締結する際に買主から売主へ支払うお金のことで、後々、購入代金に充てることができます。手付金の相場としては、一般的に物件価格の5~10%程度といわれています。
 
また、民法上では手付金の取り扱いについて、「買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。
 
ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない」と規定されています。
(参考:e-GOV「民法/第五百五十七条」(※))
 

なぜ、手付金が必要?

手付金を必要とする理由としては、以下の3つが挙げられます。
 

1.申込証拠金とするとする

上記でも述べたように、売買契約が成立したという証拠金としての意味合いを持ちます。この際の手付金は、売買契約を締結する場合には物件価格に充てることが可能です。
 

2.解約手付とする

売買契約が成立し、手付金を支払ったとしても、買主側が何らかの事情でその契約を解除したいと申し出るケースがあります。その際には買主は支払った手付金を放棄することで、契約を解除できます。そして解約手付により契約が解除となった場合は、そのほかの損害賠償請求権は生じません。
 

3.違約手付とする

反対に売買契約が成立し、手付金を支払ったにもかかわらず、売主側の事情で契約を解除する必要が出てくるケースもあります。その際には、売主は契約の際に買主から受け取った手付金を返還し、さらに同額の違約金を支払うことで契約を解除できます。
 
また、買主の事情で契約を解除する必要が出た際には、買主はこの手付金を放棄することで契約を解除することが可能です。
 

「手付金」と「内金」「頭金」とは何が違う?

手付金が法律にのったものであるのに対し、「内金」はいわゆる慣習的なものとして存在しています。
 
「内金」とは、売買契約が成立した後に、買主から売主に対して支払うお金です。この「内金」は、主に売買契約成立後、注文住宅の建築における工事請負契約の際に支払われることが一般的です。
 
手付金と異なり、買主が内金を放棄したり、売主が2倍の額の内金を支払ったりすることで契約を解除するということはできません。内金についても、手付金と同様に物件の購入金額の一部に充てることが可能です。
 
「頭金」とは、住宅ローンを申し込む際に、借入金の一部として先に支払うものです。一般的には2割程度の頭金を支払うケースが多いようですが、頭金がなくても住宅ローンを申し込むことは可能です。
 
ただし、その後の返済を考えるとできるだけ頭金を用意しておくほうが良いといえるでしょう。この頭金についても住宅購入費用に充てることができます。
 

手付金は、いつ・どれくらい払う?

手付金は証拠手付という意味合いからも、不動産売買契約書を交わす際に買主から売主に対して支払うこととなります。この手付金は現金で支払う必要があることも合わせて覚えておきましょう。
 
手付金の相場は、上記でも述べたとおり、物件価格の5~10%程度となっています。物件価格が3000万円であれば、150万円から300万円の支払いが必要となるということです。
 
したがって手付金の支払いの前には余裕をもって現金を用意しておくようにしましょう。また、20%以上の手付金の額を設定することは法律で禁止されています。
 

手付金が支払えない場合は?

住宅購入の前に支払う必要があるとはいえ、物件価格によってはかなりの額となることから、手持ちがなくて手付金が払えないという状況も十分に考えられます。そのような状況になった際には、以下の対処法を考えてみましょう。

1.手付金の額を下げてもらうよう交渉する
2.親族などからお金を借りる
3.勤務先の社内融資制度を利用する

手付金が支払えない場合は、原則としてその物件を購入することはできません。できるだけ手付金の額を減額してもらうよう交渉するか、できるのであれば親族や会社などから借りるようにしましょう。
 

住宅ローンの審査に落ちた場合、手付金はどうなる?

売主の事情で売買契約が解除となった際には手付金が戻ってきますが、それ以外にも手付金が戻ってくるケースがあります。それは、住宅ローンの審査に落ちた場合です。
 
ではまず、物件の購入と住宅ローンの申し込みまでの流れを確認しておきましょう。

1.物件の購入申し込みと併せて住宅ローンの事前審査に申し込む
2.事前審査を通過したら、その旨を不動産会社に連絡する
3.住宅ローンを利用する金融機関を決め、本審査の申し込みを行うとともに、不動産売買契約を結び、同時に手付金の支払いを行う

事前審査には通ったのに、本審査の段階で審査に落ちてしまうというケースもあり得ます。そのときに適用されるのが「住宅ローン特約」です。
 
住宅ローン特約とは、買主が住宅ローンを利用できなかったときには、違約金等の負担をすることなく、手付金が返還され、無条件で契約を解除することができるという特例です。
 
もしも住宅ローンの本審査に落ちた場合は、住宅ローン特約に基づいて契約解除の意思表示をすることで、無条件で手付金を取り戻すことができます。ただし、この適用を受けるためには、不動産売買契約を締結してから一定の期間内に住宅ローンの本審査を申し込み、審査を受けることが必要です。
 
したがって、売買契約を締結したにもかかわらず、住宅ローンの本審査の申し込みを忘れていたり、書類がそろわなかったりするなどの理由で本審査を通過できなかったなど、買主側の理由で審査に通らなかった場合はこの特約は適用されず、手付金は戻ってきません。
 
また、本審査の申込先の金融機関は、売買契約書に記載された金融機関である必要があります。住宅ローン特約では、売買契約時に「住宅ローンを利用する予定の銀行名」や金利などローンの内容以外にも、銀行からの融資承認を取得する期限などについて不動産売買契約書に細かく記載しなくてはなりません。
 
つまり、事前審査を受けて審査を通過し、住宅ローンを利用すると決めた銀行に住宅ローンの本審査を申し込まないと、住宅ローン特約は適用されませんので注意してください。
 

まとめ

住宅を購入する際には、住宅ローンの申し込みまでの間にまとまった金額を支払う必要があります。
 
「頭金なしで住宅ローンを組むことが可能である」という話から、手持ちのお金がなくても住宅を購入することができると考えてしまいがちですが、それは大きな誤解です。手付金は売買契約の証拠となるもので、お互いに取引をキャンセルさせないためのお金ということができます。
 
さらに、手付金は現金で支払う必要があることから、それなりにまとまったお金が一時的に必要になりますので、物件を選ぶ際にその物件価格から計算した手付金を計画的に用意する手段についても、併せて考えておくようにしましょう。
 
(※)e-GOV「民法/第五百五十七条」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
 

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