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「借りられる金額」と「返せる金額」は別物! 賢く住宅ローンを組むために知っておきたいこと

ファイナンシャルフィールド / 2021年3月16日 10時10分

「借りられる金額」と「返せる金額」は別物! 賢く住宅ローンを組むために知っておきたいこと

住宅ローンを申し込む際、自分はいくら借りることができるのかについて気にする方は多いでしょう。いくら借りることができるのかについては、審査の結果によっても変わってきます。
 
しかし、住宅ローンの申し込みにおいて重要なのは「いくら借りるか」ではなく、「いくらまでなら(無理なく)返すことができるか」を考えることです。

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借りられる金額はどれくらい?

住宅ローンの審査において、金融機関が提示する金額は、年収や勤務先、年齢、他の借入状況など、返済能力に基づいて審査した結果です。ただしこの審査においては、年収における、他の借入を含む年間の返済額の割合が重要になってきます。
 
この割合のことを総返済負担率といい、多くの金融機関では総返済負担率を30%以下としています。
 
では、この総返済負担率に基づいた借りられる金額はどのくらいになるのか試算してみましょう。試算条件は以下のとおりとします。
 

<試算条件>

年収400万円、他の借入はなし、総返済負担率30%

 
この条件であれば、400万円の年収に対する年間の返済額総額は120万円となり、これを12で割ると毎月の返済額は10万円です。この金額で35年間のローンを組むとすると、単純に考えて4200万円借りることができるということになります。
 

返せる金額はどのように判断する?

ただ、ここで考えなければならないのは、毎月10万円の返済が、現在の生活の収支において現実的な額であるかどうかです。年収や家族構成によって異なりますが、一般的に、生活の収支において無理なく返済できる住宅ローンの返済額は、月収の15~20%程度に収めるのが良いといわれています。
 
上で挙げた試算条件(年収400万円、他の借入はなし)のもと、返済額を毎月6万円(ボーナス返済はなし)と仮定し、元利均等返済方式で年利1%・35年間の住宅ローンを組む場合、借入可能額は2125万円となり、総返済負担率は18%まで下がります。
(参考:住宅金融支援機構「借入可能額の試算」(※))
 

借りられる金額と返せる金額は異なる

上記で説明したように、借りられる金額と返せる金額は異なります。
 
借りられる金額とは、銀行が設定している総返済負担率に基づいて算出した金額です。最終的に金融機関が判断する金額は、あくまで購入物件の金額、および組み入れることができるのであれば諸費用を加味し、適用金利で算出した額です。
 
毎月の返済額から算出した返せる金額については、住宅を購入する際の頭金や、住宅購入後毎年かかる固定資産税、そして今後のライフプランなどを考慮する必要があります。実際に返せる金額は、これらを考慮することでさらに変わってくることが予想されます。
 

住宅ローンを組む際のポイント

住宅ローンを組む際には、まず毎月どのくらいまでなら返せるかを考えましょう。さらに共働き夫婦で収入合算などを行う場合には、どちらか一方の収入減も想定しながら、無理のない返済額を設定する必要があります。
 
返済額を低く設定しすぎたとしても、まとまった金額が貯まれば繰上げ返済を行うことができ、それにより利息分の支払削減にもつながります。また、当初の10年間の返済を抑え、年末の住宅ローン残高を多くしておくことで住宅ローン控除の際に引かれる額も多くなり、最終的な所得税の負担軽減効果も生まれます。
 
返せる金額で住宅ローンを組んだ際の利息支払分と、繰上げ返済における利息削減や住宅ローン控除の効果を比較しながら、最終的な繰上げ返済額や繰上げ返済を行う時期を決めていくとよいでしょう。
 
また、できるのであれば頭金を多く用意することもポイントの1つです。頭金を多く用意することができれば、その分毎月の返済額を減らすことにもつながります。自分たちだけで用意することが難しい場合は、非課税制度が適用される、親や祖父母などからの援助を考えてみてもよいかもしれません。
 

住宅ローンを組む際に注意しておきたいこと

住宅ローンを組む際には、以下の注意点を押さえておきましょう。
 

1.金融機関の提案をうのみにしない

金融機関の提案は、時に、お客さま目線ではなく金融機関側の目線で提案されるものがあります。したがって、その商品が本当に自分に合っているかどうかはわかりません。そのためにも、住宅ローンにはどのような商品があるのか、そして各金融機関の特徴など、最低限の知識は身に着けておくことが大切です。
 

2.金利プランを選ぶ際は今後のライフプランを基に考える

超低金利が続いており、今後もなかなか金利が上がりにくいといわれているものの、今後の金融状況について正確に判断はできません。現在(2021年2月時点)の状況では、変動金利を利用することが利息の支払いを抑えることにつながる可能性はありますが、今後金利が上昇した場合のことも考えておかなくてはなりません。
 
さらに、今後数年間でまとまった支出が計画されているのであれば、多少金利が高くても10年固定金利など、その間の返済額が変わらないようにしておくなどの対策を採っておくことも検討してみてはいかがでしょうか。
 

3.諸費用がかかることを忘れない

住宅ローンを組む際には、金融機関に支払う手数料や保証料、そして印紙税や登記費用など、購入物件の価格以外にもさまざまな費用がかかります。そして、その総額は数十万円から100万円ほどにものぼることもあります。
 
したがって、それらの費用を加味した借入額(借入に充当できない時には、現金での負担額)を考えることを忘れないようにしてください。
 

4.住宅を購入した後の費用を把握しておく

住宅購入後は、上記でも少し触れたように、固定資産税がかかるほか、マンションであれば毎月の管理費や修繕積立金などが発生します。
 
戸建てであっても、ある程度の期間ごとのメンテナンス費用を考えておく必要があるでしょう。それらの費用が毎月いくらかかるのか、そして一時的にかかるのであれば、いつ頃にどのくらいかかるのかを把握し、計画的に用意しておく必要があります。
 

5.団体信用生命保険の保障範囲

多くの金融機関において、一般的な団体信用生命保険については金利の上乗せなしで加入できます。
 
ただし、最近販売されている団体信用生命保険には、働けなくなった際の保障や、ガンなどの病気にかかった際の保障を受けることができるものがあります。それらの商品は金利の上乗せが必要であることが多く、さらには、返済が終了した際には保険が切れることから、返済中の保障範囲と返済後の保障範囲をきちんと分けて考えることが大切です。
 
住宅ローンの返済が完了し、保障がまったくない状態で新しく生命保険に加入しようと思っても、その時の健康状態などによって加入できない可能性もありますし、年齢が高くなっていれば保険料も高くなるでしょう。団信終了後についても、計画的に保障内容を検討しましょう。
 

まとめ

住宅ローンの支払いは、ほかのローンと比べて長期間にわたります。そしてそれが家計に影響を与えることを忘れないことが重要です。特に、住宅購入時にはまだ子どもがおらず、これから家族が増えるという状況であれば、子どもの教育資金の確保も視野に入れておく必要があります。
 
また、金融機関を選ぶ際には、必ず複数の金融機関のサイトでシミュレーションを行い、比較して選ぶことが大切です。金融機関の担当者との信頼関係も、金融機関選択の鍵になるかもしれません。
 
契約する金額が大きいことや、契約内容を簡単に変えることが難しいということ、さらには借り換えの際にも諸費用が発生することをきちんと理解し、契約時には無理のない範囲での返済計画を立てるようにしましょう。
 
(※)住宅金融支援機構「借入可能額の試算」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
 

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