つみたてNISAの加入者が1.6倍に?どんなメリット・デメリットがあるの?
ファイナンシャルフィールド / 2021年3月26日 9時10分
つみたてNISA利用の口座数が急増しています。金融庁の調査によれば、2020年12月末時点での口座数が302万8259になったと発表されました。同調査の1年前、すなわち2019年12月末時点での口座数が189万230だったので、1.6倍にも増えたことになります。
こういった口座数増加の背景には、「老後2000万円問題」といった老後不安だけでなく、新型コロナウイルスによる相場変動や在宅勤務をきっかけに、資産運用を開始したものと思われます。
マネーフォワード社が2020年2月10日にプレスリリースした調査結果によれば、82%の人が「新型コロナの影響で、生活防衛の意識が高まったもしくは、やや高まった」と回答しています。そして、生活防衛のために投資を始めた人のうち、74%が「NISA・つみたてNISA」を始めたと回答しています
このように、関心の高いNISAの基本を振り返り、特に口座数の増加が大きいつみたてNISAのメリット・デメリットについて確認してみます。
NISAとは?
NISAとは、個人投資家のための税制優遇制度です。NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。
NISAには、2014年1月からスタートした一般NISA(他のNISAと区別するために一般NISAと呼びます)、つみたてNISA、そしてジュニアNISAの3つの制度がありますので、概要を解説します。
1.一般NISA
一般NISAとは、2014年1月にスタートした、個人投資家のための税制優遇制度です。一般NISAでは毎年120万円の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となります。
一般NISAは、つみたてNISAに比べて口座数は1221万1468と口座数そのものは多いですが、1年間の増加率は4%であり、つみたてNISAの1.6倍の伸びに比べて多くはないようです。
2.つみたてNISA
つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です(2018年1月からスタート)。購入できる金額は年間40万円まで、購入方法は累積投資契約に基づく買い付けに限られており、非課税期間は20年間であるほか、購入可能な商品は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に限られています。
3.ジュニアNISA
ジュニアNISAとは、2016年度から始まった未成年者を対象とした少額投資非課税制度です。未成年者(0~19歳)を対象に、年間80万円分の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となります。
今後、ジュニアNISAは、2023年までの投資期限を延長せずに終了する予定です。
つみたてNISAのメリットは?
では、ここ1年間で1.6倍に口座数が増加した「つみたてNISA」のメリット・デメリットについて確認してみます。
1.決まったタイミング(例・毎月)で自動的に買い付けできるので手間がかからない。
2.最大20年間、運用利益が非課税のメリットが享受できる。
3.毎年最大40万円、最大20年間、積立投資が可能である。
4.いつでも換金可能である。
1.決まったタイミングでの投資のため、自分が好きなタイミングでは購入できない。
2.金融庁が承認した193本(2020年12月23日時点)の投資信託のみしか投資できない。
3.非課税枠は、その年限りで翌年以降に繰り越すことができない。
4.一般NISAとの併用はできない(どちらか一方を選択する必要があります)。
つみたてNISAは、特に税制面においてさまざまなメリットがあります。いつでも換金可能ですので、教育資金や老後資金など、あらゆる資金を準備するのに向いています。
しかし、あくまで投資です。上記のメリット・デメリットを踏まえて、慎重に投資を行ってください。また、積立投資は、長期的にお金をつくる仕組みです。つみたてNISAを始めたからといって、すぐに資金をつくれるわけではありません。時間をかけて計画的に資金をつくっていきましょう。
(出典)
金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について/2020年12月末NISA口座利用状況」
金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について/2019年12月末NISA口座利用状況」
金融庁「NISAとは?」
金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー
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