兼業・副業している人はまだ少数派?注目の「ふるさと副業」とは?
ファイナンシャルフィールド / 2021年4月12日 10時30分
![兼業・副業している人はまだ少数派?注目の「ふるさと副業」とは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_102801_0-small.jpg)
兼業や副業という言葉も、ずいぶん身近に聞かれるようになってきました。みなさんのなかにも、ご自身やご家族が副業をされているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に副業をしている人はどれくらいいるのか、また最近話題の「ふるさと副業」の実態などについて、株式会社リクルートキャリアが発表した「兼業・副業に関する動向調査」の結果(※)を見てみましょう。
兼業・副業、やっている人はまだ少数派?
この調査は、全国の企業に務める正社員7937人を対象に行われたもの。
まずは、兼業・副業をしている人の割合を見てみます。ちなみにこの調査における兼業・副業とは、業務依頼を受けて報酬として金銭を受け取るものを指します。(株式運用・FX・不動産投資・家賃収入・オークションやフリーマーケットでの販売などは除外)
・実施中 9.8%
・今後の実施意向あり/過去に経験あり 5.2%
・今後の実施意向あり/過去に経験なし 41.8%
・今後の実施意向なし/過去に経験あり 3.0%
・今後の実施意向なし/過去に経験なし 40.3%
これを見る限りだと、現在進行系で兼業・副業をしている人は10%弱ということになります。意外にまだ少ないのですね。
また、以前やっていて再開しようかと考えている人は5.2%。逆にもうやらないと思っている人は3.0%という結果に。兼業・副業は合う合わないもあるため、一度経験してみてどうするか考えてみてもよさそうです。
過去に経験のない人では、今後実施意向ありがおよそ42%、実施意向なしがおよそ40%と、ほぼ半分に割れるという状態。考え方は人それぞれということがよく伝わってくる割合ですね。
「兼業・副業実施中+再開予定」の人たちの年代のTOP3は、1位が「25~29歳」2位が「30~34歳」3位が「35~39歳」でした。どちらかというと若い世代のほうが、兼業・副業に意欲的なようです。
兼業・副業の効果のほどは、以下のとおり。
1位:本業からの収入に追加して副収入が得られた 43.0%
2位:時間を意識し、より効率よく仕事を進められるようになった 30.4%
3位:新しい視点、柔軟な発想ができるようになった 26.8%
4位:新しい知識やスキルを獲得できた 25.4%
5位:本業以外で仕事のやりがいを感じた 22.0%
半数近くの人が、兼業・副業で副収入をきちんと得られているようです。本業だけをやるわけではないので、自然とペース配分をせざるを得なくなり、結果的に効率よく仕事を進めるスキルが身についた人も多いようですね。
副収入以外にも、仕事を効率的に進めるスキルや新しい知識・今までになかった発想力が身につき、仕事にやりがいを見いだせるというメリットがあるようです。
じわじわ増加中「ふるさと副業」とは
最近では、ふるさと納税ならず「ふるさと副業」というものも広まりつつあるようです。ふるさと副業とは、都市圏で働く人が地方企業の副業を実施することを指すのだとか。
実際に週末だけ地方に移動して副業を行う人もいれば、都市圏にいながらテレワークで副業を行うという人も。そんなふるさと副業への興味はどのようになっているのでしょうか。
・非常に興味がある 29.5%
・興味がある 47.1%
・どちらともいえない 15.5%
・興味がない 5.1%
・まったく興味がない 2.8%
興味があると答えた人の合計は、76.6%という結果に。8割近くの副業経験者はふるさと副業に興味を持っているようです。
その理由(複数回答)としては「兼業・副業自体に興味があるから」が68.3%ともっとも多く、「自分に関わりのある地域に貢献したいから」(27.8%)、「地域問わず、地方創生に興味があるから」(27.3%)、「UIJターンを検討するきっかけにしたいから」(8.4%)と続きます。
地方に貢献することや地方創生に興味がある人だけでなく、これをきっかけにUIJターンを検討したいと思っている人も少なからずいるということがわかりました。コロナ禍で都心部を離れ、地方に移住する人もいる時代。これからはふるさと副業という働き方がもっと増えてくるのかもしれません。
兼業・副業を企業はどう見ている?
兼業・副業をするには、いま働いている企業の許可が必要です。
本調査では、企業に勤める正社員または経営者・役員のうち、人事業務全般または人事制度業務に関与している人1660人を対象に、人事担当者向け調査も行っています。企業は、兼業・副業の人事制度についてどう捉えているのでしょうか。
実際に、そのような人事制度がある企業の方の回答を見てみましょう。
1位:従業員のモチベーション向上のため 52.5%
2位:従業員の定着率の向上、継続雇用につながるため 46.7%
3位:従業員の収入増につながるため 44.9%
4位:従業員のスキル向上や能力開発につながるため 43.4%
5位:働き方改革を促進するため 38.9%
多くの企業が、従業員のモチベーションを向上させ、ひいては定着率のアップを目的として兼業・副業を認めているということがわかります。なかには働き方改革の一環として兼業・副業を認めている企業も少なくないようです。
実際にどのような効果があったかを問う項目(複数回答)では、「従業員のモチベーションが向上した」(47.5%)が1位、次に「従業員の収入増につながった」(44.4%)、「従業員の定着率の向上、継続雇用につながった」(35.9%)、「従業員のスキル向上や能力開発につながった」(33.8%)と続きました。
兼業・副業の人事制度の目的が、高い精度で達成に近づいているということがわかります。
企業にとっても従業員にとってもメリットがあるといえる、兼業・副業。これからも時代に合わせてさまざまな働き方が認められていく兆しのひとつと言えるのかもしれません。
[出典]
※株式会社リクルートキャリア「【新設計版】兼業・副業に関する動向調査(2020)概要版」(@Press ソーシャルワイヤー株式会社)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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