【おさらい】株主優待でもらえるQUOカード(クオカード)。その特徴や留意点とは?
ファイナンシャルフィールド / 2021年4月16日 3時10分
株式投資のターゲットは、短期の株価値上がり、企業の成長による中長期的な株価上昇、高い配当、安定的な配当など、さまざまでしょう。また株主優待制度を導入している企業もかなりあって、それも目当てに投資している方も少なくありません。
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株主優待は、配当とは別の“おまけ”のような存在です。その企業が株主への感謝やアピールのために実施するもので、自社の製品・施設・サービスを無料や割引価格で提供したり、自社にゆかりのある物産品をくれたり、そして特定の商品やサービスに使える金券をもらえる場合もあります。
こうした株主優待の価値を金額に換算し、配当金額に足したものを「実質配当」とする考え方があります。実質配当を株価で割った利回りも株式投資の指標になりえるわけです。
株主優待をもらう側から見ると、使えるシーンや機会が一番多くありそうなのが金券系でしょう。その中でもポピュラーな存在なのが「QUOカード(クオカード)」です。
QUOカード(クオカード)のおさらい
株主優待だけでなく、ちょっとした謝礼、ギフト、記念品、賞品などでもらったことのある方も多いと思います。表面の左か右の上端部に「QUO クオ・カード 500」のような表示がされ、この場合の500は額面500円の意味。額面金額のバリエーションはいろいろとありますが、日常よく見かけるのは500円券と1000円券です。
券面は、発行会社の標準的なもののほか、写真・イラスト・ロゴマークなどさまざまなオリジナルデザインで企業、施設、イベントなどのPRをしている品もあります。
手にしたことのある方も多いと思われるQUOカード。発行会社のサイト(※1、※2)などをもとに、その特徴をざっとおさらいしておきましょう。
●日本国内の約6万のお店で使える、全国共通のギフトカード(商品券)。
●1987年誕生。1989年4月の消費税導入を見据えて、1円単位のやり取りをスムーズにできるプリペイドカードシステムとして発足。
●コンビニなどの店舗で買える券種は300円、500円、700円、1000円、2000円、3000円、5000円、10000円の8種類(すべての店舗に全券種が常備されているわけではない)。5000円券と10000円券にはプレミアム(割増額)が付く。
●カード額面内で1円単位の利用ができ、残額に現金を足して買い物することもできる。
●公共料金、プリペイドカード、印紙、切手、タバコ、チケットなどの支払いには利用できない。
●現在発行されているものに有効期限はない。
●コンビニは、セブン・イレブン、ローソン、ファミリーマート(一部店舗を除く)の3大グループほかで利用可能。
●大手書店チェーンの多くでも利用可能。
●ドラッグストア、カフェ、ファミリーレストラン、ガソリンスタンドなどの一部でも利用できるところがある。
何に利用できるかはまったく違いますが、金額帯、配る側の目的、もらった側の使い勝手(小銭がいらない)などの点では、かつての「テレホンカード」と同じような存在感かもしれません。
なお、未使用であれば金券ショップなどで買い取ってもらい換金することも可能です。発行会社の標準デザインであれば、額面の9割前後での買い取りもありえます。企業や施設の名前が入ったオリジナル品ですと、買取価格が下がったり買取対象外となる場合もあるようです。
まとめ
このようなQUOカードですが、株主優待品の中でもかなり使い勝手がよいといえます。その企業の製品、施設、サービスなどを直接扱う優待に比べると“ゆかりがある感”には欠けますが、利用できるタイミングや間口が大きく広がる点では現金の配当にかなり近い存在とも評価できるでしょう。
ただし、実施する企業にとって株主優待は、配当よりも変動させやすい存在です。業績が悪化したりすると、配当を減らすよりも前にまずは株主優待を縮減したり廃止したりするケースも少なくありません。
一方で、長期的な株式保有の優遇策として、保有期間が長くなるほど、提供するQUOカードの金額を増やしている企業も珍しくありません。
同じ100株でも保有期間(基準日の株主名簿に同一株主番号で連続記載されている回数)に応じて提供される額面金額が、一例では[6ヶ月未満500円、6ヶ月以上3年未満1000円、3年以上2000円]と増えるのです。
安定的な業績が期待される企業であれば、もらえるQUOカードの金額増加で配当と合わせた「実質配当」を積み増していく戦略は、ありかもしれません。
[出典]
(※1)株式会社クオカード「QUOカードとは」
(※2)株式会社クオカード「使えるお店」
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士
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