ライフイベントにはどのくらいの費用がかかるの?(その1)
ファイナンシャルフィールド / 2021年4月22日 9時30分
将来どんなことを実現していきたいか、希望を明確にしていくことはライフプランニング(人生設計)をする上で大事なステップとなります。家庭によって将来に思い描くライフイベントはさまざまです。ライフイベントの実現には、たくさんのお金が必要になるかもしれません。
人生の大きなライフイベントに関連するデータや費用の目安を知っておくことは、必要なお金の準備の参考になります。代表的なライフイベントに関連するデータを見ていきましょう。
結婚に関連するデータ
結婚時の夫と妻の平均年齢と挙式、披露宴にかかる費用の全国平均は以下のように推移しています。
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
夫 | 30.3歳 | 30.3歳 | 30.0歳 | 30.0歳 | 29.9歳 | 30.0歳 | 29.8歳 |
妻 | 28.8歳 | 28.8歳 | 28.5歳 | 28.6歳 | 28.4歳 | 28.4歳 | 28.3歳 |
挙式費用 | 333.7万円 | 352.7万円 | 359.7万円 | 354.8万円 | 357.5万円 | 354.9万円 | 362.3万円 |
※株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 「ゼクシィ 結婚トレンド調査2020」より筆者作成
晩婚化が進んでいるといわれていますが、わずかですが結婚時の平均年齢が下がってきているように見受けられます。一方で、挙式、披露宴にかかる費用は2014年から見ると増加傾向にあるようです。
上記の調査では結婚時の挙式、披露宴の費用に対して自己負担分の平均は2020年で約154万6000円となっていて、ご祝儀総額の平均は227万8000円となっているようです。
また、結婚には挙式や披露宴以外にも、結納や婚約・結婚指輪、新婚旅行などにかかる費用もあります。それら費用合計の首都圏平均は約160万円となっており、結納から新婚旅行まで全ての費用を準備しておきたい場合のお金の目安は、おおよそ300万円ほどになりそうです。
ただ、結婚にお金をかけない、という選択肢もあるかと思います。何を大切にしたいかで結婚にかかる費用も大きく変わってくるでしょう。
なお、挙式・披露宴などの費用は地域によっても大きな違いがあります。最も平均費用の高い九州で387万6000円、低い北海道で203万8000円となっています。自身の地域の相場の確認も必要です。
住宅取得に関連するデータ
住宅取得にかかる費用は、2019年度の全国平均で以下のようになっています。過去10年間では総じて上昇傾向にあるようです。
新築 マンション |
土地付 注文住宅 |
新築 建売住宅 |
新築 注文住宅 |
中古 マンション |
中古 戸建 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
取得費用 | 4521万円 | 4257万円 | 3494万円 | 3454万円 | 3110万円 | 2574万円 |
購入者の世帯年収 | 763万円 | 628万円 | 559万円 | 598万円 | 611万円 | 513万円 |
自己資金 | 736.2万円 | 443.2万円 | 282.4万円 | 621.9万円 | 352.1万円 | 209.0万円 |
取得費用に対する自己資金割合 | 16.3% | 10.4% | 8.1% | 18.0% | 11.3% | 8.1% |
※住宅金融支援機構 「2019年度 フラット35利用者調査」より筆者作成
おおむね取得費用は新築マンションで約4500万円、新築戸建てで約3500万円であることがうかがえます。
住宅の取得費用に対する自己資金の割合は、対象物件によりばらつきはありますが、最低でも取得費用の1割程度の準備が必要そうです。2割程度の準備ができれば、物件の選択肢も広がるかと思います。新築物件の購入を考えるなら、最低でも500万円程度の自己資金を準備することが1つの目安になるのではないでしょうか。
子育てに関連するデータ
子ども1人当たりにかかる費用は約3000万円といわれています。これは養育費と教育費を合わせたものです。内訳は養育費が約1640万円、教育費が約1400万円となっています。養育費の内訳は22年間で食費約671万円、衣料費約141万円、保健医療・理美容費約193万円、お小遣い約451万円などとなっています。
養育費は、お子さまにかける習い事や衣料費などによっては数字の変動幅が大きくなりそうです。また、教育費の方は進む進路により数字が大きく変わってきます。
※首相官邸 「子育て(教育)費負担問題と教育(修学)支援制度の整備・充実の課題」(出典:AIU保険会社『現代子育て経済考』2005年版)
教育費は進む進路によって千万円単位で違いが出てきます。養育費とともに子育てにかかる費用は変動幅が大きいので、家族でしっかりと希望を話し合い、早めに準備することが必要です。
まとめ
今回は、結婚、住宅、子育てに関連するデータを見てきました。人生のライフイベントは他にも老後におけるセカンドライフや、車の購入、家のリフォームなどがあり、また定期的に旅行に行かれる人もいるかと思います。次回は、それらに関連するデータを確認していきます。
出典・参考
株式会社リクルートマーケティングパートナーズ ゼクシィ 結婚トレンド調査2020
知るぽると 4 冠婚葬祭 結納・両家の顔合わせの実施状況(首都圏)
住宅金融支援機構 2019年度 フラット35利用者調査
首相官邸 子育て(教育)費負担問題と教育(修学)支援制度の整備・充実の課題
執筆者:小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)
この記事に関連するニュース
-
世帯年収600万円、貯金300万円のアラサー夫婦です。これから子どもを生むなら、貯金のために結婚式は我慢すべきでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月1日 23時40分
-
「結婚式を開くくらいなら貯金する!」という夫。少し悲しいですが、将来のことを考えたら、これもよい選択ですよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月1日 23時30分
-
最低このお金だけは貯めて!大人女子が独身のうちに準備したい費用【マネー連載】
美人百花デジタル / 2024年4月23日 21時10分
-
【貯蓄できていない人の割合は70.4%!?】「お金が貯まらない理由」と「まとまったお金がかかる」イベントの費用相場とは?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月17日 2時10分
-
ミドル・シニア世代の少人数挙式、2017年比で5倍以上
PR TIMES / 2024年4月11日 12時45分
ランキング
-
1円上昇、一時151円台 3週間ぶり円高水準、介入警戒も
共同通信 / 2024年5月3日 22時28分
-
2過度な動き「ならす必要も」=円安、介入コメントせず―鈴木財務相
時事通信 / 2024年5月3日 23時51分
-
3日銀がこれほどまで円安を「無視」する3つの理由 「為替は管轄外」では、結局うまくいかない?
東洋経済オンライン / 2024年5月4日 8時30分
-
4いなば食品、大炎上も「ほぼ沈黙」の戦略的な是非 「沈黙は金」黙って耐える…のはもう通用しない
東洋経済オンライン / 2024年5月3日 19時30分
-
5黒田東彦・日銀前総裁「円安は一時的」…NYの講演で見解、マイナス金利解除・利上げは「当然のこと」
読売新聞 / 2024年5月3日 17時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください