日本人が名付けたローソク足の組み合わせパターン「明けの明星」・「宵の明星」ってなに?
ファイナンシャルフィールド / 2021年4月25日 23時0分
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前回は、ローソク足の特徴的な動きを示す「窓」というパターンについてお伝えしました。今回は、窓の応用編になりますが、「星」についての考え方に言及していきたいと思います。
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「星」は、前後のローソク足との間に窓ができている真ん中のローソク足をいいます。真ん中のローソク足から窓によって放たれた前後のローソク足が輝いている様を表しているのでしょうか。そのような名前がついています。
※筆者作成
星の特徴は、ローソク足が小さめだったり、ヒゲが長かったり、十字線だったりと、ローソク足の長方形が小さい形状であることですが、意味としては売り買いが弱いことを表しています。
例えば、上の図のようなパターンでは、星の前のローソク足が陰線坊主と呼ばれる非常に弱いローソク足で、つまり、売り浴びせられていたところ、窓を開けて下ヒゲの長いローソク足が出現し、その後、さらに窓を開けて陽線坊主が現れているため、売りから買いにトレンドが転じたと判断されやすくなります。
1つひとつのローソク足を見ると、陰線坊主⇒下ヒゲ陽線⇒陽線坊主となっているため、なんとなく売りから買いに変わってきたかなと推測できるかもしれませんが、星と呼ばれるローソク足に前後するローソク足の間に窓が開いているため、比較的強いシグナルと受け止められやすくなります。
別の言い方をすれば、それまでの下降トレンドを星とその後の陽線坊主で強く打ち消したと見ることもできるでしょう。
前回、前々回とお伝えした「はらみ線」や「つつみ線」は2つのローソク足の組み合わせパターンでしたが、この「星」と呼ばれる組み合わせは3つのローソク足から構成されているため、より傾向を探るのに向いているといえるかもしれません。
実際のチャートで窓を確認する
先ほどお伝えした星の組み合わせパターンは、安値圏で出てきたときに下降トレンドから上昇トレンドに転換する可能性があるものですが、このパターンの星を「明けの明星」といいます。文学的な表現に聞こえるかもしれませんが、要は、それまで暗かった相場がこれから明るくなるかもしれないという意味です。
一方、次のような星の組み合わせパターンを「宵の明星」といいます。
※筆者作成
先ほどの「明けの明星」とは逆に、この組み合わせパターンが高値圏で出てくると、上昇トレンドから下降トレンドに転換するシグナルと受け止められやすくなります。星と呼ばれるローソク足が上ヒゲ陰線、それを中心にして、前のローソク足が陽線坊主、後ろのローソク足が陰線坊主となっていますが、星とその前後のローソク足の間に窓が開いています。
つまり、それまで続いていた上昇トレンドが上ヒゲ陰線と陰線坊主によってかなり強く打ち消され、下降トレンドに入っていくかもしれないと想起させています。
実際のチャートで星を確認する
下の日経平均株価指数のチャートでは、少し微妙ですが、宵の明星のように映るパターンが見受けられます。
〇日経平均株価指数(日足) 2021年2月1日以降
※筆者作成
赤丸の地点は、上昇トレンドが続いてきた中での高値圏といえますが、真ん中に星が発生し、その前のローソク足が上ヒゲ陽線、後のローソク足が上ヒゲも下ヒゲもある陰線となっています。
星自体は上ヒゲの長い陽線であるため、上昇トレンドが極めて強く打ち消されたとは言い切れませんが、2度目の日経平均株価指数3万円の攻防が起こっている中のトレンド転換であることを考慮すると、宵の明星に似た組み合わせパターンと見て取れるかもしれません。
このように、ローソク足による分析は確かに法則性はありますが、完全にそうだとは言い切れず、あくまでも可能性がある程度に受け止めておく必要があります。このため、他のテクニカル指標も含めて総合的に分析を進めていく必要があるといえるでしょう。
まとめ
今回は、星というローソク足の組み合わせパターンの中でも、特に知っておくべき「明けの明星」・「宵の明星」についてお伝えしました。ローソク足は、そもそも古典的なテクニカル分析ツールであるため、表現も古めかしく、どこか文学的になっているのが面白い点かもしれません。
次回は、さらにローソク足を用いた古典的な相場理論についてお伝えしていきたいと思います。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
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