子どもが3歳になったら、 幼稚園・保育園をタダで利用できる?
ファイナンシャルフィールド / 2021年5月2日 3時10分
2019年10月から始まった、幼児教育・保育の無償化。幼稚園や保育園に通う子どもを持つ家庭にとってはうれしい制度です。しかし、幼稚園・保育園での保護者の負担がすべて無償になるわけではありません。
また、子どもの年齢や施設の種類によって上限額が決まっていたり、施設の種類によって「3歳」の扱いが異なっていたりと複雑な点もあります。
そこで今回は、気になる幼児教育・保育の無償化について、わかりやすくお伝えします。
無償化の対象となる施設と上限金額をチェック
無償化の対象となる施設は、幼稚園、保育園(保育所)、認定こども園だけではありません。地域型保育、企業主導型保育事業、障害児の発達支援施設、さらには認可外保育施設等として、認可外保育施設、一時預かり事業、病児保育事業、ファミリー・サポート・センター事業等も含まれます。
では、施設ごとの無償化の上限金額を確認してみましょう。
こうしてみると、かなり複雑なことがわかります。まずは自分の子がどこに当てはまるのかを確認しましょう。
ここからは、注意点などを説明します。
施設の種類によって「3歳」の扱いが違う
まず気をつけなければいけないのが「3歳」の扱いです。
「3歳から無償化」といわれているので、3歳の誕生日がきたら誰でも無償化になると思っている人も多いのですが、実は子どもが通う施設の種類によって無償化されるタイミングが違います。
幼稚園(新制度に移行した施設も未移行の施設も)や認定こども園の幼稚園部分では、満3歳になった日から無償化の対象です。
一般的に幼稚園は、3歳になったあとの4月に満3歳児クラス(年少)に入園しますが、満3歳から受け入れている施設や、満2歳児クラスを設けている施設などもあります。その場合は、3歳の誕生日を迎えるまでは無償化の対象外、3歳になった日から無償化の対象になります。
一方、保育園など幼稚園以外の施設では、3歳の誕生日後の4月1日から無償化の対象です(住民税非課税世帯を除く)。
また、保育園、認定こども園、地域型保育施設の0〜2歳児クラスは、第2子が半額、第3子以降は無償とされています。この子どもの人数のカウントは、年収360万円以上相当の世帯については、保育所等を利用する最年長の子どもを第1子として子どもの人数をカウントするという独特のルールがあるので注意が必要です。
無償化の対象になるもの、ならないもの
無償化といっても、幼稚園や保育園でかかるすべての費用が無償になるわけではありません。無償化の対象になるのは、基本的には施設の利用料のみで、それ以外は保護者が負担する必要があります。具体的に見てみましょう。
●各施設の利用料
●幼稚園や認定こども園(幼稚園部分)の預かり保育の利用料(「保育の必要性」の認定を受けた場合。上限あり)
●入園料
●通園送迎費(通園バスなど)
●給食費(食材費)
●行事費
●教材費
●お昼寝布団のレンタル料
●認可保育施設の延長保育料 など
無償化のための手続きは?
無償化のために手続きが必要な施設と必要でない施設があります。
<手続きが不要な施設>
幼稚園(新制度に移行した施設)の通常教育時間、保育園、認定こども園、地域型保育施設は、そもそも施設を利用するにあたって保育の必要性について自治体から認定を受けているので、無償化のために改めて手続きをする必要はありません。
<手続きが必要な施設>
幼稚園(新制度未移行)の通常教育時間、幼稚園(新制度未移行)の預かり保育、幼稚園(新制度に移行した施設)の預かり保育、認可外保育施設等については、お住まいの自治体から「子育てのための施設等利用給付認定」を受ける必要があります。
なお、幼稚園の預かり保育や認可外保育施設等で無償化の対象となるのは、「保育を必要とする事由」に当てはまり、自治体から認定を受けた場合に限ります。「保育を必要とする事由」とは、就労、妊娠・出産、疾病・障害、介護、就学などです。
まとめ
幼児教育・保育の無償化についてお伝えしてきました。自分の子はどうなるのかおわかりいただけたでしょうか。
幼稚園や保育園にかかわるすべての費用が無料になるわけではないので、がっかりした人もいるかもしれませんが、それでも家計が助かることは事実です。
例えば、幼稚園(新制度未移行)に通い、毎月上限の2万5700円が無償になると、1年間で30万円、3年間で90万円も支出が減る計算になります。これを習い事やレジャー、生活費で使ってしまうのはもったいないです。一部でも積立貯蓄などにまわせれば、将来の教育資金の準備が楽になるかもしれません。
また、自治体によっては、国の制度に上乗せして保育料等を補助してくれるところもあります。まずはお住まいの自治体に確認してみましょう。
執筆者:宮野真弓
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
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