家計の見直し、今すぐ行うべきことは?
ファイナンシャルフィールド / 2021年5月3日 4時30分
お金の相談の多くは「家計の見直し」です。きっかけはさまざまですが、例えば住宅購入やお子さまの進学など、まとまったお金を支出する出来事が起きたとき、貯蓄で足りるのかが気になったことで相談をされます。
今回は家計の見直しをFPに相談する前に、今すぐ行うべきことを解説します。
家計の見直し……その前に今すぐ行うべきこと
家計の見直しをしたいと思ったきっかけは何でしょうか?
結婚や出生、住宅購入、進学、退職など、きっかけは異なるかもしれませんが、貯蓄残高を見て「お金は足りるかなぁ?」と気になったことが家計の見直しのきっかけという方が多いようです。
お金が必要な場合、家計の見直しを行う前に今すぐ行うべきことがあります。それは、いつ、いくらお金が必要なのかライフイベント表(将来年表)を作り、時期と金額を明確にしておくことです。
10年後に進学費用の120万円が必要なのか、住宅購入費用の5000万円が来年必要なのか、時期と金額によって家計の見直し方法は異なります。
20~30代で老後資金を心配する方もいますが、40~50年先はお金に対する考え方が変化することもあり、また金利や市場も変化しますので、まずは10年後くらいまでの期間でいつ、いくら必要なのかを書き出しておきましょう。
毎月あといくらあればいいかを計算する
現在、貯金が全くない場合(0円)で、金利や税金などの前提を考えず、10年後に進学資金の120万円が必要だと仮定します。
進学資金を貯めるという目標を達成するためには、10年間で120万円貯蓄をする必要があります。毎月1万円、毎年12万円を貯めることができれば10年で120万円が貯まります。つまりこの場合は、毎月1万円貯蓄できるように家計の見直しをします。
また、来年に住宅購入する予定だが現在は貯金が全くなく、全て住宅ローンで購入する場合を考えます。
現在は家賃が毎月8万円の部屋に住み、住宅購入後は住宅ローン返済が毎月7万円、管理費や修繕費、固定資産税など住居に関する費用が毎月3万円と仮定すると、住宅を購入することで毎月の住居関連費用が8万円から10万円となり、毎月2万円支出が増えることになります。この2万円が増えても家計が赤字にならないためには、毎月2万円分の家計の見直しをします。
支出を減らすことが家計の見直しではない
「家計の見直し」をインターネットで検索すると、支出を減らす方法が紹介されていることが多いのですが、家計の見直しには、(1)収入を増やす、(2)支出を減らす、(3)運用する、の主に3つの方法があります。
例えば、毎月あと1万円必要と算出できたら、その1万円を捻出するために収支の見直しを行います。働く時間を増やしたり副業をするなどして収入を増やすことができないか、住宅ローンの借り換えや加入している保険の整理、通信費や光熱費の契約をまとめることで支出を減らせないかを考えます。
また、普通預金に預けているお金を投資に回すなど、利回りを高める運用をするという方法もあります。
支出を減らすことだけが家計の見直しではありません。家計の見直しをしたいと思ったら、まずは家計の見直しの目的を明確にし、目標とする毎月の貯蓄額を算出してみましょう。
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント
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