元本が2倍になるのに必要な期間が簡単にわかる「72の法則」とは
ファイナンシャルフィールド / 2021年5月8日 5時10分
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72を予定運用利回りで割ると、運用資産が2倍になるまでの必要年数を出すことができる。これを一般的に「72の法則」と呼びます。この法則の使い方をご紹介します。
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72の法則とは、金融商品に投資する際、金利の複利効果で元本が2倍になる運用期間を概算で求めるための法則です。計算式は、
【72÷金利(%)=運用期間(年数)】
長期の運用で資産形成をする際に知っておくと便利な法則です。
例えば、元本100万円を年利3%で複利運用した場合、元本が倍の200万円になるまでに必要な運用期間を算出してみます。【72÷3=24】答えは24年。
参考までに金利1~5%のそれぞれの期間は以下のようになります。
1%複利の場合……72÷1=約72年
2%複利の場合……72÷2=約36年
3%複利の場合……72÷3=約24年
4%複利の場合……72÷4=約18年
5%複利の場合……72÷5=約14.1年
2021年3月1日現在の銀行の定期預金(3年)の金利は、とあるネット銀行で0.3%でした。この金利で現在の定期預金が倍になるまでの運用期間を算出すると【72÷0.3=240】、なんと240年という気の遠くなる結果になりました。
定期預金は資産を増やす目的では期待できないことがこれでわかります。このように金融商品が運用目的に合っているかどうか判断するツールとしてもこの法則は役に立ちます。
一定の運用期間で元本を2倍にするために必要な金利を知る
例えば、手元の資金を20年で倍にしたいと思ったとき、金利を何%で運用すればよいか知る場合にもこの法則が使えます。
上記の【72÷金利(%)=投資期間(年数)】 から 【72÷投資期間(年数)=金利(%)】という式を導きだすことができますので、【72÷20=3.6】となりました。20年で資金を2倍にするには3.6%の金利が必要ということです。
10年の場合……72÷10=7.2%
15年の場合……72÷15=4.8%
20年の場合……72÷20=3.6%
25年の場合……72÷25=2.8%
30年の場合……72÷30=2.4%
例えば、老後のための資金づくりをする際には、手元の資金、必要な時期、運用できる期間から金利を導くことができます。
上記で72の法則を使って5年ごとの必要金利を算出しました。運用期間が長ければ、金利が低くてリスクも低く設定されている金融商品で運用が可能になります。資産運用は時間を味方にして長期で運用することが重要ですね。
ローンなど借り入れする際の使い方
住宅ローンを借りる際には、長期での借り入れが前提になりますので、金利差が与える影響をおおまかに実感していただくためにも72の法則が使えます。
住宅金融支援機構によると、「フラット35」等の借入金利水準(2021年3月)は、融資率9割以下の場合、取扱金融機関が提供する金利の範囲は年1.350%~年2.230%としています。
仮に金利が1.350%だとして72の法則にあてはめると【72÷1.35=53.3年】になります。53年の返済期間を設定すると、返済総額がおおむね倍になるということがいえます(ここでは元本の返済分はいったん無視することとします)。
20年前に筆者が住宅を取得したときの金利は4.1%でしたので、72の法則にあてはめると【72÷4.1=17.5年】でした。
当時返済期間を30年で設定していましたので、筆者の場合は完済までに、借入額の倍以上の額を返済しなければいけなかったことになります(元本は減っていきますので一概にはいえませんが、元利均等払いでしたので返済当初は返済額に占める利息の割合が高めになります。本例では、気にしないことにします)。
途中で借り換えを行ったので倍までにはなりませんでしたが、このように金利差による支払総額への影響をおおまかに知るツールとしても使えます。
現在のように低金利のときは、長期でお金を借りるには有利な時期といえます。ただし、キャッシングやリボルビング払いは金利の設定は高い傾向にありますので注意が必要です。仮に金利が18%だった場合、72の法則で検証してみましょう。
【72÷18=4年】つまり、たった4年で借金が倍になってしまう計算になってしまう金利だということを肝に銘じておきましょう。
まとめ
72の法則は金利から必要年数を把握する場合や、運用期間から必要な金利を把握することができる便利なツールです。また、単に金利や年数を計算するだけではなく、金利差による影響、運用期間による違いなどを知る、お金と上手に付き合うための判断するツールとしても活用できます。
執筆者:仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント
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