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LGBTのカップルも住宅ローンが組める? 必要な要件を解説

ファイナンシャルフィールド / 2021年5月9日 23時0分

LGBTのカップルも住宅ローンが組める? 必要な要件を解説

近年、多くの場で取り上げられるようになってきたLGBTという言葉によって、少しずつですが、LGBTそのものが社会的に注目される傾向にあります。とはいえ、海外から見ると日本はまだまだLGBTへの理解・対応が遅れているといわれています。
 
そのなかで、住宅ローンについてのLGBTのカップルへの対応はどのようになっているのか、その現状と問題点について解説します。

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LGBTとは?

LGBTとは、「レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)」の4つの頭文字から構成されている、セクシュアルマイノリティーの総称として使用されている言葉です。
 
LGBTは、セクシュアルマイノリティーの総称ですが、すべてのセクシュアリティを包括しているわけではありません。身体的や性自認、性的指向、性表現など、私たちのセクシュアリティを決める要素はさまざまです。したがって、LGBT関連の問題を考える際には、LGBTだけではなく、すべてのセクシュアリティやジェンダーの平等などの視点も考慮する必要があるといえます。
 

LGBTのカップルが住宅ローンを組む際の問題点

海外では同性婚を認める国が増えているなかで、日本はまだ同性婚は認められず、「同性パートナーシップ制度」という扱いにとどまっています。つまり、法律の規制により、同性のパートナーとの間に婚姻関係を結ぶことはできません。住宅ローンを組む際には、この「婚姻関係を結ぶことができない」という現実が問題となります。
 

■収入合算やペアローンが利用できない場合が多い

住宅ローンの借入額を増やす際に利用する「収入合算」や「ペアローン」は、男女の夫婦であれば問題なく利用できますが、LGBTのカップルでは利用できる金融機関は限られています。LGBTのカップルにおいては、どちらか一方が住宅ローンを組み、もう片方が返済の一部を負担するという方法をとっている人が多いのではないでしょうか。
 
とはいえ、収入合算やペアローンを利用する目的は、借入額を増やすことですので、それが使えないとなると希望する物件を購入できないということにもなりかねません。
 

■万一の場合、パートナーに財産を相続できない可能性がある

住宅ローンを組んでいる側が、死亡もしくは高度障害の状態になった場合、加入している団体信用生命保険によって、それ以降の住宅ローン返済は免除されます。しかし、その住宅の所有権や家財などの財産が、LGBTカップルのパートナーに相続できないという問題があります。
 
なぜなら、LGBTのカップルの場合、婚姻関係が認められていませんので、相続の対象とならず、さらには財産分与を求めることもできないからです。
 

各金融機関におけるLGBTカップルが住宅ローンを組むための要件

現在では、日本でもLGBTカップルが住宅ローンを申し込める金融機関が増えてきています。LGBTカップルが住宅ローンを申し込める金融機関と、その金融機関が定めている要件を紹介します。
 

■楽天銀行LGBT住宅ローン

楽天銀行LGBT住宅ローンを利用するためには、連生型団体信用生命保険の加入が必須となっています。パートナーの収入合算をベースに1本のローンを組むことができる、共働きの家族のための住宅ローンという位置付けから、どちらかが亡くなったり、高度障害になったりした際には、住宅ローン残債がなくなります。
 
また、多くの金融機関で必要とされる「パートナーシップ証明書」の提出が不要となっています。現在、パートナーシップ証明書を発行してくれる自治体の数はごくわずかであることからも、これは非常にありがたい対応といえるでしょう。
(参考:楽天銀行「楽天銀行住宅ローンはLGBTのかたを応援しています。」(※1))
 

■住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行では、LGBT専用の住宅ローンプランを個別に用意していません。しかし、現在提供している商品において、「収入合算」や「ペアローン」などの配偶者の定義に同性パートナーを認めるという対応を行っています。そしてこの対応により、LGBTカップルは以下2つの住宅ローンを申し込むことが可能です。
 

1.三井住友信託銀行の住宅ローン「ネット専用住宅ローン」
2.住信SBIネット銀行が独自に開発したパッケージプラン「ミスター住宅ローンREAL」

 
(参考:住信SBIネット銀行株式会社「住宅ローンにおけるLGBTへの取り組み開始について」(※2))
 

■ソニー銀行

ソニー銀行もLGBT専用の住宅ローン商品を提供するのではなく、新たな取り組みとして、必要書類を提出することでLGBTのカップルでも「収入合算」や「ペアローン」の利用を可能としています。
(参考:ソニー銀行「住宅ローンにおける同性パートナーのかたへの取り組み開始について」(※3))
 

■みずほ銀行

みずほ銀行もソニー銀行と同様に、必要書類を提出することで同性パートナーを配偶者と認める取り組みを行っています。
(参考:みずほ銀行「住宅ローンにおける商品改定について」(※4))
 

■三井住友信託銀行

三井住友信託銀行では、規定の書類を提出することで同性パートナーを配偶者として認め、「収入合算」や「ペアローン」の利用を可能としています。
(参考:三井住友信託銀行「住宅ローンにおけるLGBTへの取り組み開始について」(※5))
 

LGBTカップルが住宅ローンを組むために必要とされる書類

上記で紹介したように、LGBTカップルが住宅ローンを組む際には、必要書類を提出する必要があります。その主な書類は以下のとおりです。
 

■任意後見契約に関わる公正証書および任意後見契約に関わる登記事項証明書

任意後見契約に関わる書類に関しては、以下の内容が記載されていることが条件となっています。
 
<必要記載文言>
2人が共同生活を営むにあたり、当事者間において、次の事項が明記された公正証書を作成していることを確認します。
 

●2人が愛情と信頼に基づく真摯な関係であること
●2人が同居し、共同生活において互いに責任を持って協力し、およびその共同生活に必要な費用を分担する義務を負うこと

 

■パートナーシップ証明書

パートナーシップ証明書については、不要としている金融機関も多いです。提出が必要な場合は、住んでいる自治体で発行してくれるケースもありますので確認してみましょう。
 

まとめ

LGBTのカップルであっても、住宅ローンを組むことは可能です。とはいえ、相続に関する問題や、パートナー関係が解消されたときにどうするかについては、2人の間でしっかりと話し合っておく必要があります。
パートナーシップ制度を認めている地方自治体はまだ少ないですが、これから増えていくかもしれませんので、自分たちが住んでいる自治体の動向もチェックしましょう。
 
上記で紹介したように、LGBTカップルであっても利用できる住宅ローンはあります。もし、住宅購入を検討しているのであれば、住宅ローンの利用を前向きに考えていきましょう。
 
(※1)楽天銀行「楽天銀行住宅ローンはLGBTのかたを応援しています。」
(※2)住信SBIネット銀行株式会社「住宅ローンにおけるLGBTへの取り組み開始について」
(※3)ソニー銀行「住宅ローンにおける同性パートナーのかたへの取り組み開始について」
(※4)みずほ銀行「住宅ローンにおける商品改定について」
(※5)三井住友信託銀行「住宅ローンにおけるLGBTへの取り組み開始について」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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