火災保険の保険期間が最長5年へ短縮される? 火災保険も再確認!
ファイナンシャルフィールド / 2021年6月1日 9時10分
台風や集中豪雨による大きな被害が毎年のように報道されています。自然災害の増加に比例するように火災保険料は値上げ傾向にあり、契約できる保険期間も最長で5年に短縮される予定です。
台風シーズンを前に、今後家屋が被害を受けた場合でもきちんと対応できるよう、火災保険を見直してみましょう。
火災保険値上げと保険期間短縮の背景は?
火災保険料は、純保険料と付加保険料によって決まります。付加保険料は、保険会社の保険事業を行うための経費の部分で、各保険会社が独自に決めています。純保険料は、保険事故が起きた時に支払う保険金に充てられる部分で、損害保険料算出機構が算出する参考純率をもとに決めている保険会社が多くなっています。
損害保険料算出機構は、各保険会社の大量の契約や支払いデータの他、外部データも活用しながら火災保険の参考純率を算出しています。近年は、大型台風や大雪などの自然災害による被害が増え、保険会社が支払う保険金も増加しています。
そのため、損害保険料算出機構は2018年、2019年と連続して参考純率を改定し、保険会社も火災保険料も値上げを行いました。今後もその傾向は続くと考えられます。
また、火災保険の保険期間は最長36年での契約が可能でしたが、2015年には現行の10年に短縮され、さらに2022年中にも5年に短縮されることが検討されています。長期間、保険料を固定することが保険会社の契約を圧迫する可能性があるためです。契約者にとっては、値上げの機会が増えることになりますので、保険料の負担は増えます。
火災保険はどんな時に使える?
火災保険では、火災、落雷、破裂・爆発といった事故で建物や家財が被害を受けた時に補償されますが、他にも風災、雪災、雹(ひょう)災、水災などの自然災害による被害や、盗難や破損・汚損等も補償対象です。
例えば、強風により建物のガラス窓が破損したり、瓦や屋根が吹き飛んだりといった被害は風災で、大雨での床上浸水や土砂崩れ等の被害は水災で補償されます。また、落雷により火災が発生したり、家電製品が故障したりした場合にも補償されます。
契約は、建物だけ加入、家財だけ加入、建物と家財の両方で加入というように選ぶことができます。室内での突発的な事故で支払われる例として、子どもが家の中で暴れてテレビやパソコンを壊してしまった、というようなものがあります。
これは、破損・汚損の対象となりますが、家財のほうも加入していないと保険金は支払われません。自然災害でも家具や電化製品が被害を受けることも多いため、なるべく両方で加入したほうがよいでしょう。
値上げ予定の火災保険料を安くする方法
火災保険料の負担を少なくするには、なるべく長期契約で加入する方法があります。1年契約より複数年契約のほうが、割引率が高いためです。保険期間が5年に短縮される前に、なるべく長い期間で契約することで保険料の支払総額を抑えることができます。
また、保険金額の設定も重要です。古い火災保険では、建物を時価で契約している場合も見られますが、最近の保険では同じ建物を建て直す場合にいくらかかるかという再調達価額(新価)で保険金額を設定します。この場合、実際の建物の価値より高い保険金額にしても、実際の価値を超えて保険金を受け取ることはできません。適正な保険金額を設定しましょう。
また、マンションでは共有部分と専有部分がありますが、個人で加入するのは専有部分のみです。マンションの管理規約などで専有部分の範囲を確認し無駄な保険料を支払わないようにしましょう。
また、マンションの高層階では水災の補償を外しても問題ない場合もあります。近くに河川がないところでも、一戸建ての場合はゲリラ豪雨により床上浸水してしまう危険性もあります。不要な補償を外すことで保険料を節約できますが、外す場合には、よく検討するようにしましょう。
執筆者:福島佳奈美
【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー
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