普通預金に預けっぱなし…。何か他のところへ預け替えするべき?
ファイナンシャルフィールド / 2021年6月4日 3時10分
![普通預金に預けっぱなし…。何か他のところへ預け替えするべき?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_107105_0-small.jpg)
普通預金の口座にお金を貯めていると「この貯まったお金を有効活用したい」「最近投資や資産運用がはやっていて、そのまま置いておくのはもったいないのでは?」と思うことはありませんか?
今回は、普通預金に眠っているお金の有効な活用方法について見ていきます。
預けっぱなしの普通預金、預け替えや移動させるべき?
普通預金に預けっぱなしのお金は、一部を資産運用、あるいは定期預金へ回すべきというのが今回の結論です。なぜなら、この低金利時代において普通預金にお金を預けていても得られる利子は、ほぼゼロに等しいからです(参考までに三井住友銀行では、2021年5月7日現在の普通預金の利率は0.001%です)。
さらに、最低賃金は毎年上昇を続け、物価も全体的に値上がっています。そういった時代背景を考えると、長期間お金を眠らせておくことは実質的に資産を目減りさせているようなものです。少し考えてみてください。
昭和初期の100円と現在の100円という金額の持つ価値は同じでしょうか?
例えば、1000円という金額を稼ぐのにかかる時間は昭和初期と令和とでは全く異なりますよね?
このように考えることで、同じ金額でも時間の経過によってお金の価値が変化していることに容易に気づくことができるでしょう。
普通預金のお金の移動先はどこがベスト?
普通預金に眠っているお金を有効活用するための移動先はいくつかありますが、ここでは誰でも利用でき、比較的安全なものを列挙します。
定期預金
昔から使わないお金の王道といえば、定期預金です。一定期間引き出すことができない代わりに、普通預金よりも高い利率を得ることができます(三井住友銀行では、2021年5月7日現在で0.002%と普通預金の2倍)。
iDeCo
iDeCoは、老後を過ごすのに2000万円必要といわれたことで話題となった個人年金で、掛け金の拠出、運用益、受取時と3段階にわたって所得控除を受けられる制度です。
しかしながら、元本割れリスクや口座管理手数料が存在すること、60歳まで引き出すことがほぼ不可能であるということ、一度加入したら60歳まで加入を続けることになるという点から、加入時には慎重に考える必要があります。
NISA
NISAとは一定期間、投資によって得た利益が非課税とされる制度です。NISAには一般のNISAとつみたてNISAがあります。一般のNISAでは5年間、つみたてNISAでは20年間、運用益が非課税となる大変お得な制度です。
iDeCoと異なり、いつでも解約して現金化することができるので、元本割れのリスクはあるものの流動性が高く使い勝手は高いです。とはいえ、つみたてNISAも一般のNISAも国が認めた金融商品を対象に投資することになるため、比較的安全性も高く、積極的に利用すべき制度だといえるでしょう。
投資信託
定期預金や普通預金の金利で物足りないという場合は、NISAやiDeCo以外の投資信託も有効です。非課税の恩恵を受けられないことや元本割れリスクがあるものの、10年単位の長い期間で見れば安定して利率数パーセントの利益を上げられること、いつでも現金化して利用できるという流動性の高い点が魅力です。イメージ的には、利益が非課税ではないNISAという感覚ではないでしょうか。
ただ、利益が非課税ではない分、信託手数料という金融機関に支払う手数料の存在が重くなります。選べる金融商品も多いことから、投資先の商品を選ぶ際はつみたてNISA以上に慎重になることが求められます。
普通預金と資産運用の割合はどれくらいがベスト?
少なくとも、普通預金には半年から1年分の生活が無収入でもできるくらいのお金を残すようにしてください。資産運用をしていると、すぐには現金化ができなかったり、元本割れのリスクもあるため、全額普通預金以外にしていると、いざというときにお金が回らなくなってしまう恐れがあるからです。
普通預金からの預け替えは慎重に
普通預金は流動性が高く、元本割れリスクがないものの、基本的には今後も時間の経過とともに実質的な価値は目減りしていくことが想定されます。とはいえ、安易に資産運用のために預け替えをすると、運用益や税制優遇を受けられる代わりにお金の使用が制限されたり、元本割れリスクが懸念されます。
低金利の続く今、長期的な視点から見れば資産運用は実施しておくべきだといえます。資産運用を実行する際はリスクとリターンを考慮し、万が一、資産価値が目減りしても生活やライフプランに大きく影響しない範囲で行うようにしてください。
出典
三井住友銀行 円預金金利
執筆者:柘植輝
行政書士
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