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親が借金を残したまま亡くなったら相続放棄したほうがいい?

ファイナンシャルフィールド / 2021年6月14日 23時10分

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親が借金を残したまま亡くなってしまった場合、ほとんどの方は、借金以外は相続するが、借金は相続したくないと考えているのではないでしょうか。   今回は、親が借金を残したまま亡くなった場合の相続手続きについて、相続放棄や限定承認などを中心に解説します。

相続とは

亡くなった人(被相続人)が所有する財産を、相続人に継承することを相続といいます。
 
相続の対象となる財産は、プラスの財産(不動産や現金など)だけでなく、マイナスの財産(借金など)や財産に関する法律的な地位(保証人としての立場など)も、すべて含まれます。
 
親が借金を残したまま亡くなってしまったケースで、プラスの財産を相続する場合は、マイナスの財産(親が残した借金)も相続しなければなりませんので、相続においては、プラスの財産だけ相続し、マイナスの財産(親が残した借金)は相続しない(相続を放棄する)というような「都合の良い相続」をすることはできません。
 

相続放棄

相続放棄は、亡くなった人(被相続人)が所有する財産について、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がないという意思表示をすることであり、相続放棄をする場合は、家庭裁判所で手続きをする必要があります。
 
相続放棄をした人は、相続人ではなくなるため、親が借金を残したまま亡くなってしまったケースにおいて、マイナスの財産(親が残した借金)を引き継がなくてもよいことになりますが、プラスの財産についても引き継ぐことができなくなります。
 
また、相続放棄をする場合、以下のことに注意が必要です。
 

(1)自己のために相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出る必要がある
(2)相続放棄をした場合、代襲相続は発生しない
(3)相続放棄の意思表示は、相続開始前に行うことができない
(4)それまで相続人でなかった人が、新たに相続人となる場合がある

 

限定承認

被相続人から引き継ぐプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を返済し、その範囲を超える部分については責任を負わないという相続の方法で、相続放棄と同様に、自己のために相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出る(相続放棄した者を除いた、相続人全員で行う)必要があります。
 
親が借金を残したまま亡くなってしまったケースにおいて、限定承認をした場合、プラスの財産>マイナスの財産であれば、結果的にプラスになりますが、実際の手続きが複雑であることや、使い勝手が悪いなどのことから、あまり利用されていません。
 

まとめ

通常の相続では、プラスの財産を相続する場合、マイナスの財産(親が残した借金)も相続しなければならないため、親が借金を残したまま亡くなってしまったケースにおいて、相続人が親(被相続人)と一緒に住んでいた住居(引き続き相続人が居住する)も相続財産になっている場合などでは、限られた選択肢の中から相続の方法を選択する必要があります。
 
また、相続放棄や限定承認を選択する場合は、自己のために相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出る必要がありますので、時間の猶予があまりないことについても注意が必要となります。
 
出典
※最高裁判所「相続の放棄の申述」
※最高裁判所「相続の限定承認の申述」
 
執筆者:中田真
CFP(R)認定者、終活アドバイザー

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