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日本と海外の初任給の違いとは?

ファイナンシャルフィールド / 2021年6月17日 3時10分

日本と海外の初任給の違いとは?

学生にとって初任給は、就職したい企業を考えるに当たって大きな要素の1つとなっています。子を持つ親としても、できる限り初任給が高く、安定した企業に入ってほしいと思うことでしょう。   そんな重要な意味を持つ初任給ですが、日本は海外と比べてどうなっているのでしょうか。日本と海外の初任給を比較していきます。

日本の初任給ってどれくらい?

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」の結果によれば、日本の初任給は学歴別に下記のようになっています。
 

学歴別初任給(男女計)
大学院修士課程修了 23万8900円
大学卒 21万200円
高専・短大卒 18万3900円
高校卒 16万7400円

※厚生労働省 「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給」より筆者作成
 
このように学歴が高いほど初任給も高く、学歴が低いほど初任給も低い傾向にあります。特に高校卒の初任給の平均は16万円台と、地域によっては1人暮らしをスタートするのに厳しい金額となっています。
 

年収ベースで見た日本と海外の初任給はどうなっている?

2020年4月21日の日本経済新聞の記事によれば、日本の初任給は年収に換算すると262万円だそうです。では日本以外の諸外国では、年収ベースに換算した初任給はいくらになるのでしょうか。
 
初任給が高額な国としては、スイスやアメリカが挙げられます。スイスでは初任給が年収ベースで800万円を超えており、アメリカは640万円超え、ドイツでは530万円超えと非常に高額になっています。続くノルウェーも400万円以上と日本を大きく上回ります。
 
逆に日本と同程度としては、300万円前後となるシンガポールや韓国といった国がありますが、両者ともわずかに日本を上回っています。日本より初任給が低い国の例としては、台湾や中国(200万円以下~100万円程度)、タイ(100万円以下)などがあります。
 
社会制度や物価、雇用の在り方など国によってもろもろの違いがあるにせよ、日本の初任給は世界の国々に比べて決して高いとはいえない水準にあるようです。
 

日本の初任給が海外に比べて低い理由は?

日本と海外で初任給が大きく異なる理由の1つに、給与の決まり方があります。日本は徐々に変わりつつあるとはいえ、まだまだ終身雇用と年功序列が色濃く残っています。
 
若く勤続年数が短いうちは給料が低く、年齢を重ねて勤続年数も長くなってくると給料もそれに応じて上がっていくというものです。そのため、入社後も間もない初任給となると、各国に比べて低い数値が出ていると考えられます。
 
その他にも、日本の雇用は労働者保護の側面が強く、雇用主からの解雇は容易ではないため、様子見も含めて初任給の金額が低くなっているという部分もあります。
 
また、海外では国にもよりますが即戦力を求められることも多く、特にアメリカでは日本のように新卒を好んで採用するという方針ではない企業も少なくありません。むしろ高い賃金を払ってでも即戦力となり得る人材を好みます。
 
もちろん国や企業によってある程度は変わる部分もありますが、日本と海外という大きなくくりでざっくり説明すると、初任給の差にはこうした理由もあるでしょう。
 

日本は諸外国に比べて初任給が低い

日本は先進国ではありますが、その中でも初任給についてはとりわけ低い傾向にあります。この違いは日本社会特有のシステムが背景にあり、国際社会で競争していくに当たっての課題の1つといっても過言ではありません。
 
働き方改革においては労働時間など働き方だけではなく、賃金の額や内容についてもメスを入れるべきだと私たちは認識しなければならないでしょう。
 
出典
厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給
日経新聞 日本262万円、米は632万円 日本は初任給抑制
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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