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金(ゴールド)のETFの投資と株式投資の比較

ファイナンシャルフィールド / 2021年6月24日 9時40分

金(ゴールド)のETFの投資と株式投資の比較

「有事の金」という格言もあるように、2020年のコロナ禍以来、金(ゴールド)への投資に注目が集まっています。そこで、本稿では金への投資の中でも、金のETFについて考えてみたいと思います。 (本稿の情報は、2021年6月時点のものです)

金のETFへの投資は株式への投資と同じ手順

金のETFは、2021年6月時点で東京証券取引所に4本上場しています(※)。証券取引所に上場していますから、その取引方法は株式とさほど変わりません。
 
証券会社に証券口座を開き、投資資金を証券会社に振り込み、株式と同じ手順で買い付けるだけです。証券会社によって異なりますが、株式売買手数料が掛かるのも株式と同じです。
 

金のETFと株式との違い

一方で、金のETFと株式との違いを見てみましょう。株式は100株を1単元として売買するのに対し、金のETFは1口(=1株)から投資ができます。つまり、表示されている表示金額(=株価)に買い付け手数料をオンすれば投資できます。
 
金のETFも株式と同じく、円で投資できます。しかし、金のETFの表示金額には為替の影響が織り込まれています。つまり金の価格変動と為替変動の、両方の影響を受けた表示金額なのです。
 
株価は取引時間中、激しく変動します。しかし、金のETFの表示金額は株価のそれに比べると、動きが鈍いというよりも、ほとんど動きません。
 

金のETFと株式・・・資金的な性格から

ここで、株式投資を「株式を発行する企業」の側から考えてみたいと思います。
 
企業は、株式を発行することで得た資金を事業の成長のために用います。そして、その資金は貸借対照表では自己資金として扱われますから、返済の義務はありません。利益が出れば、その利益の一部を配当金として株主に還元します。
 
では、金のETFはどうでしょうか?金のETFへの投資は、株式ならぬ受益証券を得ることができますが、金そのものを入手できるわけではありません。株式への投資と異なり、「事業の成長のための資金」ではなく、単に受益証券を手に入れられるだけです。
 
金は企業とは異なり、金そのものの成長を期待することができません。ですので、金に対する需要と供給、そして為替で金のETFの表示金額が決まります。
 
成長を期待できないとは、成長の果実ともいうべき利益がありません。つまり、利益の分け前である配当金を得ることもできません。
 
また、金のETFへの投資は、債券のような融資ではありません。金のETFには利息もありません。
 
前述のとおり、金のETFには、株式とは異なり、金そのものの成長がありません。そして配当金や利息といった、インカムゲインに相当するものがありません。つまり、金のETFへの投資では「時間が味方」ではないのです。
 
金のETFへの投資は、純粋に価格の変動と為替の変動の2つだけで勝負することになるのです。
 

まとめに代えて

冒頭でお伝えしたように、金は「有事の金」という格言にも代表されるように、相場そのものが思わしくないときに備える、いわば安全資産です。金の価値を疑われることはないでしょうし、株式とは異なり倒産リスクはありません。
 
しかし、金のETFで利益を得ようと思ったら、価格と為替の変動だけで勝負しなくてはなりません。安全資産であるはずの金、そのETFへの投資。上述したさまざまなことを留意しておきましょう。
 
出典
(※)
日本取引所グループ「銘柄一覧」-商品・商品指数-
日本取引所グループ「銘柄一覧」-商品(外国投資法人債券)-
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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